今週のデジタル書籍トピックス 2024/02/11

デジタルブックトピックス

まるで西野亮広さん本人? AIで声を再現、朗読ブック初配信(毎日新聞)

キングコング西野亮広さんの『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』のオーディオブック版で新しい実験的な制作がなされました。AIで西野さん本人の声を学習して、プロのナレーターが朗読した声を西野さんの声にかぶせるというものだそうです。技術的にできるよというニュースは出ていましたが、商品としてははじめて、ということなのでしょう。聴き放題で提供とのことで私も聴いてみたいと思います。


日本初の“AI本人オーディオブック” をaudiobook.jpで配信 第1弾は著者・キングコング西野亮廣さんの声で読む『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』(PR TIMES)

こちらがaudiobook.jpを運営するオトバンクからのリリースです。「AI本人オーディオブック」というネーミングに突っ込みたいという気持ちは生まれるものの確かになんていえばいいかわからんなあ、と3秒ほど脳内会議をしました。これ難しくて、著者本人の朗読ではなくスタジオミュージシャンのような「裏の読み手」がいて、声の主はAIが学習した「著者本人から培養した声」であって、例えていうなら名店の味を再現したちょっと高いカップラーメン、、いやそれは違う。。冗談はさておき、「本人の声」「AI本人の声でもいいのか」含め需要が市場的にどれぐらいあるものなのかは興味深いですね。


創業20周年のオトバンク、コーポレートサイトをリニューアル

まずは創業20周年、おめでとうございます。そうですかー。20年続くのは素晴らしいことです。音声ひとすじ20年走ってこられ、市場というか、カセットやCDなどでバラバラだったオーディオブックを、デジタルで、プラットフォームとして認知され、市場として見えるようになった功績は大きいと思います(上からに見えたらすいません)。新しくなったコーポレートサイトを拝見するに、ブランデッドポッドキャスト・図書館向けサービスなどまた深掘りしたくなるサービスもありましたので、今後も追いかけていきたいと思います。


中国の春節が電子デバイス業界を止める/Chinese New Year puts the e-reader industry on pause(Good E reader)

能動態か受動態にしようかちょっと迷いましたが。kindleやonyxなど主要のe-book reader端末は中国で作られ流通に乗せられているのでこの週末から始まった旧正月(春節)の長期休暇で全部ストップしちゃうんだよねという記事です。この記事の発信元であるGood E readerも端末の紹介だけではなく販売もしているので、いやーもうどうにもなんないね、とは書いていませんがそのように読み取れます。外野からすると「でもそれ毎年そうですよね、わかってたことですよね」と素朴に思うのですが、本当に途切れちゃうんですかね。在庫を持っておけば、と思いますが工場直送で受注生産に近い方式でやっている場合は融通が効かないのかもしれません。はいすべて想像ですけれども。


賞金総額1億円 グランプリ、準グランプリに加え、多様なカテゴリー賞を用意「Amazon Fliptoon 縦読みマンガ大賞」を開催(PR TIMES)

なんだか景気のいい話ですよ。amazonがKDP(Kindle Direct Publishing)経由で同社が提供する縦読みコミックストアFliptoon用のコンテンツに賞金を出すとのことです。大賞には1,000万の賞金、総額1億円!とのことでこれはすごい。とはいえ縦読みコミックはフルカラーでデータの仕様も電子書籍とは異なるためKDPで文字ものを出すように個人で描いてアップ、とはいかないんでしょうね。プロダクション単位で応募、とかになるんでしょうか。このあたりが暗くてよくわからないのですが、突然M-1と同じ優勝賞金の賞金レースが爆誕したことにはびっくりです。Documentalマネーが神速でシフトしたとか、まさかね。


ピッコマ:世界で一番成功した漫画アプリ/Piccoma: World’s Most Successful Manga App(Good e reader)

同様の記事は前回もありましたがこちらは米国の記事です。上の記事でamazonに1億円出させたのは実はピッコマなのかもしれません。韓国発の漫画アプリ「ピッコマ」がシェアを増やして売上トップになったとのこと(何のトップかちょっとあいまい)。韓国や日本の漫画を中心に人気を集めているとのことですが、今年最高に収益をあげそうなのが「Solo Leveling」日本のタイトル「俺だけレベルアップな件」なんですって。韓国発とのことですが、そんな地球規模のメガヒットのタイトルもはじめて聞くとは・・毎週アンテナ張ってるっていっててこんな感じですからね。カ顔を洗って出直したいと思います。ピッコマの一人勝ちゆるさじとamazonも1億円で盛り上げる、って感じなのでしょうか。日本は大手出版社のオウンドストアも多いですが、果たしてどのような業界地図になるのでしょう。


オーディオブック、電子書籍、紙本の使い分け方を検証してみた(note)

いわゆるメディアではなく小山さんというフードクリエイター・アーティストの方のnote記事です。普段はnoteを回遊することはあまりないのですが、先日「オーディオブックも音声広告市場に混ぜてはいただけませんでしょうか」という長文をアップしてしまったら、オーディオブックに関連する記事が出てくるようになったのです。まだオーディオブックはお試し中とのことですが、「持ちたい本」の感覚は私も同感でございます。


一度は失敗したシステム化 ― KADOKAWAの電子書籍事業におけるkintone導入の軌跡

出版社のDX化をどうやったか、KADOKAWAの事例です。読んでいて、行間から何かがほとばしり出てきて痛い痛い痛いです。大変だったのだろうなあ。この「ここに絞ろう」の解にいたるところまでで本1冊の内容になるのではないかと思います。

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