読書メモ:白亜紀往事

オーディオブック読書

中国の大IPである『三体』の作者 劉 慈欣さんの、これは単行本一冊分の小説です。とにかく私は三体、読んでいて面白すぎて、一冊目を読んでいる時からあと何冊あるのか確認したぐらいでした。普通の読書ですと速く読んだりじっくり読んだりまちまちですが、オーディオブックの場合速度調整はもちろんできるんですが、現在の速度設定での読了時間がわかるという残酷なシステムなので(残酷ではない)終わってしまう恐怖を味わいながら読んだ記憶があります。小説とはいえ登場人物も多かったり難しい言葉も多かったので1.2倍ぐらい、ゆっくりめで聴いた記憶があります。小説自体もそんなに数を読まないのですが、SFというジャンルは読んだことがほぼ無いジャンルだったので、なんというか知的刺激をストーリーでガツンと受ける経験そのものがショックでインパクトがあり、シリーズを読み終わった時はもぬけのカラになっておりました。読んだ当時は読書メモを書いていなかったのでここで振り返っておきます。

宇宙の遠い遠い文明の交流を描いた『三体』とはガラッと違い、本作は太古の地球での恐竜と蟻の交流を描くというびっくりな設定の物語です。Sci-Fi・・科学的な知識をベースにしたお伽話とでもいったらいいのでしょうか。それまで自然界の摂理の上でそれぞれ暮らしていた恐竜と蟻が、ひょんなことから助け合いの交流を持つようになり、サイズも性格も全然違う2種の生き物がお互いの強みを生かして持ちつ持たれつ仲良くなっていくが。。もちろん人間は一ミリも出てきません。こんな奇抜な設定を、リアリティというか、絵になるぐらいにイメージがわくレベルで成立させてしまうのは力ですねえ。シリアスなシーンでもちょっとユーモラスというかおとぼけ滑稽なトーンがどこかに香り、ニヤニヤしながら読める一冊です。面白かったです。今ちょうどNetflixでは『三体』が絶賛配信中ですが、本作をジュラシック・パーク的に映像化はできませんかね?

白亜紀往事
劉 慈欣 (著), 大森 望 (翻訳), 古市 雅子 (翻訳) 早川書房

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