読書メモ:「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと

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このような「読書感想文」映えするような本のレビューをするのはなんとなく、勝手にハードルが上がってどう書き出していいかちょっと固まりました。国境なき医師団は、その名称は知っていましたが名称とその名称から想像されるイメージしか持っていませんでした。国際的なNPO的なあるいは国連の外郭的な何かであるような、そんなイメージ。なので本書の最初の方で著者が営業マンから転職したキャリアで、医師ではないというくだりを読んでずっこけたりした。そして本人曰くそんなに志高い理由で入ったわけではなかったという「国境なき医師団」で積まれた経験とそこから培われた知見と葛藤がエピソードとしてぎっしりと入っています。

「命の次に大事なこと」、大きいタイトルです。大きすぎて、正面からこたえにくいですね。つい大喜利に逃げてしまいそうです。一般的なこたえってどういうふうになるのだろう、とGPT4に聞いてみたら、返答の締めくくりがこんなことに。

自分にとって何が最も価値があるかを考えることは、自己理解を深める機会ともなります。あなたにとって命の次に大事なものは何でしょうか?

ついに逆質問してくるようになりましたよ。まさかの、「お前が考えろ」という天変地異。AIに使われる時代はもうすぐそこにあるのかもしれません。それはさておき、筆舌に尽くせないような紛争地域をはじめとした過酷な環境での活動、その前に活動をするための交渉、自身やチームのリスクマネジメントやチームマネジメントと緊張が途切れることがないような生活を送りながら、一旦キャリアを転換して、ハーバードのケネディスクールに入り、紛争地で人道援助が必要な人たちの医療へのアクセスを回復・維持するために医療への攻撃を止めさせるアドボカシー戦略を学んだその視座から語られる「命の次に大事なこと」の重みは言葉の大きさに負けない重みがあります。究極の選択、命に関わる判断を無数に繰り返してきた筆者の経験の数々を知るだけでも、「自分ちゃんとしないとね」とズキズキきます。

「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと
村田慎二郎 (著) サンマーク出版

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