読書メモ:死ぬこと以外かすり傷

オーディオブック読書

その昔、某雑誌の編集長と焼き鳥屋で飲んでいた時のことです。昔話や家族の話、自分の仕事や作品の話はしても、会社のこととか同僚の話はほとんどしない彼が「できる奴が辞めちゃったんだよね・・」とつぶやいていました。珍しいことなので印象に残っていたものの、個人的に知らない人の話題でもあったのでどこの誰だとも聞かないまま時が流れていきました。その後勢いのあったニュースメディア「NewsPicks」とコラボした「NewsPicsBooks」の編集長として驚異的なペースでベストセラーを編集し世に出した箕輪 厚介氏のプロフィールを見た時、ああ、あの時に彼がつぶやいていたのは箕輪さんのことだったのかもしれないな、と思ったのでした。

私の勝手なイメージ、いや、当時の露出と印象からおそらく多くの人が抱いていたイメージは、事件後もマルチに活動し発言も話題になり続けるホリエモンこと堀江貴文氏や、NewsPicks等でも論客として名を上げていた落合陽一氏をはじめ気鋭の経営者など「当時一番忙しそうな人」の本をバンバン出していく謎のスーパー編集者、という感じでした。その後単行本にとどまらずオンラインサロンや事業の立ち上げをしたり、自らが編集した堀江氏の『多動力』をトレースするようなマルチな活躍をしていたので、もうこうなってくると私の想像力を超えてしまうのでそっと脳内の変人枠に入れてしまっておいたのでした。自分がイメージできないものは再現もパクることも何もできないのですね。学べないのです。

本書は、ちょうどその頃のクレイジーかつクリエイティブな日々の仕事と生活ぶりが熱量をともなって描かれたもので、情熱と冷静のあいだ、といいますか熱狂と計算のあいだ、といえばいいのかとにかく猛烈にインプットとアウトプットを重ね自身が脱皮を繰り返し今に至ったプロセスが綴られています。やはりといいますか、仕組みになるまでは王道の「ど根性で全部やる」でした。とんがっていてもやはりそうなんですよね。。発売が6年前ということで、あの頃のベストセラーや著名人の顔ぶれなど色々思い出しながら読みました。若い方がメインターゲットになると思いますが、市場がさまざまなレイヤーで変化している今エネルギーチャージと答え合わせに読むのも有意義だと思います。

『死ぬこと以外かすり傷』
箕輪 厚介 (著) マガジンハウス
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