読書メモ:激安ニッポン

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前に読んだ『お金は歴史で儲けなさい』からの流れでポチりと。お金と物価は一蓮托生ですね。

私寝る前にTikTokを見ることがあります。早起きしすぎた時に起き抜けに見ることもあります。学習リコメンド機能のレンジが狭く、同じような動画がピンポイントで流れてくるのは閉口することがありますね。そこに中毒性が生まれるのでしょうが、なんとなく勧められて全部見ちゃった動画を「好きなんだな、お前こういうのが好きなんだな」とTLがそればかりになってしまうのはちょっと。。と言いながらK-1の懐かしい試合とかは結構見てしまったり。いや、それはいいんですけど最近流れてきたもので「日本に初めて訪れた外国人夫婦や家族を、動画制作主がアテンドして、お寿司やすき焼きなどの日本的料理などを食べさせる。外国人の方々がOMG、OMG、ウマーベラス!と狂喜する、というものなのです。日本のホテル編、スーパー編などのバリエーションもあります。1人だけではなくいくつかの似たような投稿主がいて、どういうきっかけかはわかりませんが日本のグルメガイド的に入れ替わり立ち替わり案内するのです。これも見てしまったら関連するものがこれでもかと流れてきて、なんだか微妙な気持ちになったのでした。まさにこの本のタイトルの通り激安ニッポンであることは為替のニュースを見ても、実際に海外に出張に行ったり行った人の話を聞いても本当のことなのかはわかります。原油高での物価上昇、単に電気代だけではなくて為替に加え輸入コストも含めるとありとあらゆるものが高くなる中で低価格での商品・サービス提供に磨きをかける企業努力がありました。一方で物価が上がり人件費も上がり株価も上がる諸外国。どちらも「好きでやっているわけではない」けれども、物価が爆上がりしている国の人が日本に来たらそれは、国ごと激安の殿堂に見えるでしょう。もう、いいとか悪いとかではありません。なのに「日本すごい、夢の国!」と称賛ばかりの動画を繰り返し見せつけられると滅入るのです。物価・為替高の諸外国についても国の中の格差はあるわけですし、豊かさとはまた別の物差しだからです。

『お金は歴史で儲けなさい』にありましたがその国の景気は長い目で見るとステージごとに循環します。ステージの潮目が変わる理由はまちまちですがいつか変わります。とするならばそれをあまり比べて自慢したり卑下したりするのもなあ、という気がします。自分がキャリアや投資でそれを致命的に読み違えないようにしないと、とは肝に銘じたいと思います。本書で提言されている働き方やDXについて取り組むべきことはもちろんあると思いますし、実際無駄なことや組織制度の弊害もあるでしょう。甘いものを食べた後にしょっぱいものを体が欲するように、日本礼賛動画の後に本書を読むといいと思います。しかし毎度のことながら切れ味と説得力がすごいですね。自分が斬られたことに気づいていないぐらいです(笑)。

激安ニッポン (マガジンハウス新書)
谷本真由美 (著)

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