断定的な強いタイトルではありますが、内容は非常にアカデミックで、真正面から科学的に書かれた一冊です。いわゆるブルーバックス的な、専門用語や実験結果がしっかり紹介されているタイプの本です。
そんな本で「脳を鍛えるには運動しかない」と言い切られているのですから、もう本を閉じて運動するしかない、という気持ちになってしまいます。とはいえ、本書を読まなくても、運動が体にいいだけでなく、頭にも良い影響があるということは、なんとなく肌感覚で納得している方も多いのではないでしょうか。
たとえば、モヤモヤしていた気分が、走ったらスッキリしたという経験。あるいは最近の筋トレブームでも、「体と心を鍛える」という感じ、ありますよね。
「運動のための運動」ではなく、「頭のためにもなる運動」と捉えることで、より納得感を持って取り組めるはずです。筋トレでも、筋肉に働きかける、語りかけるといったように、「ここの筋肉を強くする」と意識することで結果が出やすくなる、とよく言われますよね。違うか、それは違うか。
ともあれ、意識や目的意識を持って運動することは、習慣化の観点からも有効だと感じます。ですから、「学術的である」というお墨付きがあることで、細かい理論をすべて覚えなくても、エビデンスのシャワーを浴びてモチベーションを高める、という捉え方でも良いのではないでしょうか。
そういう意味では、オーディオブックも非常に相性がいいと感じました。話を聞くように内容を取り入れられるので、無理なく理解を深めることができます。
また、「頭が良くなる」「成績が上がる」といった側面だけでなく、ストレスや抑うつといった状態に対しても、運動が有効であることが紹介されています。もちろん程度の問題はありますが、体を動かすことから始めることで、前向きな変化が生まれる実例も挙げられていました。
この点については、あまり踏み込みすぎた紹介は控えますが、「頭がすっきりする」「思考が冴える」といった効果に加えて、ポジティブな気持ちになれるという意味でも、運動の価値があることが伝わってきます。散歩みたいなゆったりした運動から、負荷のある運動の意味についても触れられていて、新鮮でしたよ。
では、お散歩に行ってきます。

『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』
ジョンJ.レイティ (著), エリック・ヘイガーマン (著), 野中 香方子 (翻訳)


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