読書メモ:愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと キャラクターは会社を変えられるか?

オーディオブック読書メモ

私がこの読書メモを書くときは、大体「懺悔」から始まるのですが、今回もそのパターンです。

これだけ業界ニュースを飛び越えて話題となっている、有隣堂のYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界。実は私、チャンネル開設のニュースを見て、一度だけちょこっと動画を見たことがあるのですが……その一度きりでした。

最近では「学研の図鑑を何千冊も売った」みたいなニュースを見て「すごいな」と思いつつ、動画は見ていなかったんです。PRに携わった経験のある人間としては、まったくもって不甲斐ない話なのですが、その後ろめたさを払拭するためにも、このタイトルを見つけぽちっとしました。

なぜ10分足らずの動画を見ずに、4時間以上のオーディオブックで埋め合わせをしようとしたのかは自分でもよくわかりません。YouTubeとTikTokは怖いのでスマホにアプリを入れず、ほぼ見ていない、というのもあるのです。


これまで全然見ていなかった後付けの理由ですが、有隣堂さんのYouTubeはとても勢いがあって登録者数も増えているけど、企業としてのブランディングとはまた別の取り組みだと思い込んでいたということがあります。勝手に「商品紹介として秀逸なコンテンツを、YouTube上の“カリスマ店員”みたいな人が、ブッコローの中の人として活躍しているんだろうな」と想像していたんです。

なので、本書のタイトルを初めて見たときもピンとこなかったのですが、内容を見て「その書店が有隣堂さんなんだ」とつながり、これは自分の思い込みが全然違っていたのかもしれない……と、あわてて読み始めた次第です。


いや、本当に面白かったです。

これだけ快進撃を続けている勢いのあるチャンネルなので、さぞ制作会社とがっつりチームを組んで運営しているのかと思いきや、実はスタートしてこの方、著者とブッコローの中の人、という構成(ライブはまた別とのことですが)。そこにまず驚きました。

さらに、著者はYouTubeマーケティングの専門家というわけではなく、映像制作側の出身だったという点も意外でした。だからこそ、最初の企画段階においても、ポリシーや世界観の構築など、一つひとつを愚直に、素直に積み上げていった過程に大きな読み応えがありました。


本書は、「キャラクターは会社を変えられるか?」という問いが立てられていますが、キャラクターでの組織変革というよりはサブにあるように企業広報としてのYouTube活用の成功事例として非常に学びの多い一冊です。特に、ブッコローというキャラクター設定のメイキングと、その運用については相当具体的に書かれており、突き抜けるコンテンツには理由があるものなんだなあと畏怖の念を感じさせられます。

キャラクターを立てて運営する理由、とても現実的で明快です。続けていくうえで考えておくべきこと、みたいなことにも触れられています。小売店に限らず、メーカーやサービス業など、さまざまな業種にも応用できる内容だと思います。また、経営サイドとYoutubeチームとの関係や距離についても。

書籍ではジャンルもターゲットも広範囲に扱われており、その中で「視聴者の熱量を維持するコンテンツ作り」は、かえって大変だったのではないかと思います。普通ならそう考えるところを、ブッコローという強力なキャラクター設定で番組ファンを作り上げていった点が、本当にすごいと感じました。


読んでいる途中、何度もYouTubeを見たくなりましたが、ここは我慢。答え合わせは、このレビューを書いてからにしようと思います。とりとめもない感想ですが、まとめとさせていただいて「有隣堂しか知らない世界」、これから楽しみたいと思います。

前回書いたラジオの本でも感じましたが、「熱量のある話を聞く」というだけで、不思議とエネルギーをもらえる気がします。おすすめです。

本書はオーディブルで読みました。

『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
ハヤシユタカ (著) クロスメディア・パブリッシング

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