面白かった。ラジオはPR関係でのやりとりや、スタジオへのアテンド・同席など点で触れることしかなかったので「ラジオ業界」に関しては何にも知らないできました。ラジオの現場の雰囲気って独特の柔らかさがあっていつも気持ちいいんですね。ミニマムな構成で、阿吽の呼吸でみんながプロの仕事をさりげなくこなしている、みたいな。
私自身はラジオ世代のはずなんですけど全然で。音楽番組とかを聞いたこともあったと思うけど、「はまった」とか「ずっときいてます」、みたいのはないんですよねえ。友人が尾崎豊のラジオすすめてきても「ふーん」で続かなかったし。三宅裕司のヤングパラダイスの「やっちゃん」とか「みとさまのいかり」とかは面白すぎて男子みんな聞いてたな録音したな〜。ぐらいですかねえ。そして社会人になったら本も読まないしラジオも聞かない。
というラジオには薄い私ですがとっても面白かったです。なにより熱があるところの話は門外漢もあったまれます。ネットの台頭でリスナーも、さらにクリエイターも動画にいってしまった頃の話から、震災で経験したメディアの貴重さと、厳しい状況下でのチャレンジ。コロナ期で高まったエンゲージメント。他の媒体との決定的な違い、そして特徴。全部、納得がいくし「ラジオが強い」理由にも説得力があります。
おそらく著者は謙虚なかただろうと思うのですが、逆風の時代から大イベント連発の今に至るまでご本人がされてきたことがあまり書かれていない。パーソナリティーや他のプロデューサー、番組などに割かれていて、ご自身のことは迷ったとか悩んだとか失敗したみたいな話で。なんて思いました。でもこれも、私が少ない接点の中で感じた「心地よさ」を感じる作法なのかもしれませんね。
DXとかコラボとか、呉越同舟的な連携とか、ビジネス書的な内容としても読めます。ラジオに特化していましたが、ポッドキャストなど音声コンテンツ全体に引いた目線でも今度語っていただきたいですね。
本書はオーディブルで読みました。
『今、ラジオ全盛期。 静かな熱狂を生むコンテンツ戦略』
冨山雄一 (著) クロスメディア・パブリッシング

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