読書メモ:土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

オーディオブック読書メモ

「ブラタモリ」って面白いですよね。タモリが地学好きだからか、それともそもそもの番組自体の企画なのかはわかりません。でも、あの番組の面白さは、その場所ごとの地形や成り立ち、地質や地形の特徴から街の歴史をひも解いていくところにあると思います。こういったアプローチで物事を考えるのは、私にとって新鮮で、考えたことのない視点ばかり。非常に脳が刺激される番組だと感じています。

こうした流れで「こうなるべくして、こうなった」と解説されると、とても面白い。ただ、それはある意味「土地のうんちく」で終わってしまう部分もあり、実際に地質学的な知識が身についているかというと、正直あまりそうではありません。「火山が近いから火山灰なんだな」「溶岩なんだな」といったパターンが頭に残っている程度で、そこから独学で深掘りしようと思ったことは、一度もありませんでした。

そんな中で本書、『土と生命の46億年史』です。徹頭徹尾、「土がどのように作られてきたのか」、そして「その歴史とは何か」について書かれた一冊。まるで『サピエンス全史』の「土バージョン」とでも言いたくなるような内容です。

人間が作れないものに、「土」と「生命」がある。著者はそう語ります。そしてその土が、どれほど誠実で精密で、偶然の産物なのか。ミミズやダンゴムシの働き、細菌や菌類のカオス。サイエンスなんですけどまさに複雑系という言葉で済ませてしまいたい感じです。

今の都会では、土を目にすることも少なくなりました。確かに、土が「作られる」イメージなんて、そう簡単には湧かないですよね。そんな中、ふと朝日新聞の「著者に会いたい」という連載で見かけた、

『うんこになって考える いのちを還す野糞と土葬の実践哲学』伊沢正名さん
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この本も面白そうですが、ここまで踏み込まないと、やっぱり土が作られる感覚が見えてこないのかもしれないと思いました。

やはり、自分がまったく知らなかったことが書かれている本を読むのは、面白いですね。
本書はAudibleで聴きました。


『土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る』
藤井 一至 (著) 講談社ブルーバックス

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