「マーケティング」は定義があいまいで用語もたくさんあり、さらに「〇〇マーケティング」や「〇〇戦略」「〇〇理論」など方法論やツールが増え続けています。
とくにプロダクトの情報を広く速く届けるためのツールやテクノロジーが一気に増えたために、「お客さまは誰なのか」よりも手法のほうが先行し、HOWばかりが増殖したということです。AIでも解説本が氾濫しているでしょうからさらに大変ですね。
増殖する手段が目立って、それが「マーケティング」であると学ぶとまた新しい「〇〇マーケティング」が出現する。何が正しいのか、何をすればいいのかのマーケティング難民が生まれてしまいます。
本書では、そうした現状に対して、的確な言語化がされています。
タイトルをそのまま受け取ると、私は本書のターゲットではないのかもしれません。
というのも、私はこれまで正面から「マーケティング」を学んだことがないからです。
経済学部や商学部でマーケティングを学んでいれば学んだということなのか、そういうことなのかは分かりませんが。私自身、自分の仕事を説明する際に「マーケティングっぽいことをしています」といわざるを得ない場面がありましたが、それこそが本書が指摘しているような、「マーケティングって何か、よくわからないまま使っている」状態だったのだと思います。
実際、恥ずかしながら今でも正直、そうです。
マーケティング理論の本も読んできましたが、そこで得ていたのは「手法」や「言葉」を知ることばかりでした。その理解の積み上げで、私は「マーケティングとは何か」の“解像度”を上げようとしていたのだと思います。
でも本書を読んでわかったのは、マーケティングという言葉そのものの解像度を上げるのではなく、「マーケティングの目的とは何か」をしっかりと認識すること。そこにこそ、マーケティング呪縛を解く鍵があるということです。
それが腑に落ちたことで、この本は私にとって、毎年1回くらい読み返したい「お経」のような本になりそうです。初心者のための入門書であると同時に、自分にとっての定番の本として、これからも手元に置いておきたい1冊になりました。
本書はaudible版で読みました。
『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』
西口 一希 著 日本実業出版社


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