読書メモ:睡眠の起源 (講談社現代新書 2760)

オーディオブック読書メモ

「睡眠の仕組み」とか「睡眠の不思議」とかならわかるんですが、「睡眠の起源」って何だろう?とちょっと不思議な気持ちでポチった一冊でした。しかも講談社ブルーバックスじゃなくて、現代新書なんだな、というのも読む前に少し引っかかったポイントです。ネガティブに引っかかったわけじゃなくて、ふうんそうなんだ。。って感じです。

正直、自分は意識低い系なので、健康とか睡眠とか生活習慣などのテーマも「たまには読まないと」と思ってサプリ感覚で手に取ったわけなんです。
結論からいうと想像していた内容とはかなり違っていました。でも面白かった。

もともと「寝る時間がもったいない」と思っていた少年が、高知の自然に囲まれた生活の中で、虫や動物に興味を持ち、自由研究からスタートして、ぶれずに研究者への道を進んでいく。その成長ストーリーというか、エッセイというか、著者自身の知的好奇心の軌跡を一緒にたどるような内容でした。それが最終的には睡眠になったわけです。

途中、本書のテーマが睡眠の話だったのをすっかり忘れるくらい、ヒドラの研究に没頭して、実験の試行錯誤のくだりが詳細に描かれるところもあります。指導教授のやりとりや当時の生活などもありありと。それでもちゃんと最後には、意識や睡眠というテーマに戻ってくる。
論文のような堅苦しい書き方ではなく、のびやかで、でも芯の通った研究エッセイとして読むことができました。そういう意味でも、この本はやっぱりブルーバックスではなく、「現代新書」であったんだなあ、と。

正直、私は最初、睡眠に関する雑学やうんちくを軽く仕入れようくらいの気持ちだったので、想定していた内容とは違っていました。でも読み進めるうちに、著者自身のこれからの研究や著作にもすごく期待したくなる、そんな一冊になりました。

文章の雰囲気もとても清潔感と品があって、そのままエッセイとして読めました。なんか、朝ドラの「らんまん」の原作を読んでいるかのような。いや違うか。青春小説のような読後感、ということが言いたかったのでした。

著:金谷啓之
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睡眠の起源 (講談社現代新書) 金谷 啓之 著

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