読書メモ:やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける(audible)

オーディオブック読書メモ

本書は出版当時ベストセラーになり、もちろん気にはなっていたのですが、例によって読むことなく、そのまま忘れてしまっていた本のひとつです。こういうと「読書家のうっかり」と思われるかもしれませんが、そうではなくて、単に「気になる本」をただ気にしているだけで、実際に1冊も読まない人だったわけです。10年ぐらい前なんてほとんど本を読んでいなかったなあ。。

そんな私も、今では気になった本がオーディオブック化されていれば、すぐにポチっと押してしまうのですが、本書の場合、日本語版が発売されたのは2016年。そしてオーディオブック版がリリースされたのは2019年です。こういった「ロングセラー化してからオーディオブック化された本」は、新着情報やランキングばかりをチェックしている私にとっては埋もれやすく、なかなか気づきにくい存在です。というわけで、本書に出会えたのはよかったです。

「やり抜く力」と聞くと、自分にははなはだ自信がなく、これまでの人生を振り返ってみても何かをやり抜いた記憶が思い浮かびません。大学を卒業して新卒で入った会社に30年近く在籍しているという意味では続けてはいるのですが、それは「やり抜く」とは少し違う気がします。ただ「居続ける力」「やめない力」でしょうか。それが本当に力といえるのかはよくわかりませんが。

本書の主張には、自分でも納得できる部分が多くありました。どうしても私たちは、生まれつきの才能や遺伝、学歴などで人を判断しがちです。自分自身への評価もそうですし、他人に対する評価も同じです。昔話の「ウサギとカメ」のように、少しずつでも歩みを続ける方が勝つというストーリーはみんな好きだと思いますが、もし競争でどちらに賭けるかを事前に決めるなら、多くの人がウサギに賭けることでしょう。それぐらい先天的なものを無意識に重視してしまうわけですが、「やり抜く方がパフォーマンス高いんだぜ」を学術的に証明するのはきっと困難だったと思います。困難だったと書かれています。

しかし、本書はその道のりを著者のキャリアとストーリーを織り交ぜながら語られていて、読み物として順序立てられ、学術書のようなハードルの高さを感じることなく読むことができました。何かを「やり抜く」には、もしかしたらもう歳を取りすぎたかもしれませんが、それでも読んでいて気持ちの良い1冊でした。

著:アンジェラ・ダックワース, 翻訳:神崎 朗子
¥1,584 (2025/05/06 12:22時点 | Amazon調べ)

audiobook.jpで見る

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳) ダイヤモンド社

コメント

タイトルとURLをコピーしました