読書メモ:THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める

オーディオブック読書

後悔は力なり。前向きなのか後ろ向きなのか、とんちのような言葉ですね。テーマはともかく、ダニエル・ピンク氏の新刊はまずチェックしなければいけないということで読みました(まず、といいながらオーディオブック化を待っていたわけですが)。

失敗の本質』や『失敗学のすすめ』というベストセラー書籍があり、類書も多数出るほどでした。日本人はどれだけ失敗が好きなのかとも思ってしまいますが、誰もが自分の失敗は置いておいて、他人の失敗を見るのは好きなのだと思いますよ。人の不幸は蜜の味といいますが、さらに現在はSNSでのバッシングなどもありますから、失敗もおちおちできませんね。

本書は、後悔という感情について徹底的に考察したものです。後悔しない人生をモットーとすることがかっこいいという風潮がありますが、著者はその価値観にはて?と問いかけます。「我が人生に一片の悔いなし」は漫画『北斗の拳』のラオウの名台詞ですが、宮本武蔵の「我事において後悔せず」など日本でも「後悔しない人生」を美徳とする価値観はあったわけですね。そのあと人は何を悔やむのか、どのようなことにより後悔の念を抱くのかについて整理分類します。ここで本書を制作するためのサーベイ結果が出てくるのですが、シリアスなもの、細かいもの、出てくる出てくる後悔のオンパレード。朝から何をインプットしているんだと思いながらも興味深いです。

振り返って、さて自分の50年余りの人生で大きい後悔ランキングみたいに並べてみたらどうだろう、と考えてみたのですが、浮かぶのはランキング対象ですかこれ、という細かいものであったり子供の頃の無邪気な振る舞いであったり、どうも締まらない。どうやら大物には鍵をかけて「無かったこと」にしてしまっているのではないか。また「恥ずかしかったこと」に対する後悔がポンポン浮かんでくる傾向があるみたいで、つくづく周りの目を気にしいの小さな自分を自覚せざるを得ません。

そのような自己分析の素材にも使うことができるでしょう。人は間違うので、後悔と向き合い、いい関係になることが、長い目で見たときには幸せな状態でいられるのかもしれませんね。

THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある
ダニエル・ピンク (著)  池村千秋 (翻訳) かんき出版

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