読書メモ:給食の謎 日本人の食生活の礎を探る

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「給食の謎」このタイトルはもうザ・雑学な感じですね。帯コピーの「なぜ飲み物は牛乳なのか?」も雰囲気です。給食は確かに世代や地域性が出るのではじめましての集まりの話題としてはいいかもしれませんね。私は学校給食を食べたのは小学校の6年間でしたが、やはり結構覚えているものですよね。パンがあんまり好きではなかったけど揚げパンは大好きとか、鯨の竜田揚げが好きだったとか八宝菜と酢豚が苦手だったとか、ありましたね。献立表を熟読して、好きなおかずの日は朝からウキウキしていたり。特別給食でカツカレーの時に風邪で休んだ時にはベソをかいたり。そのようなエピソードは誰でもあると思います。そういう意味ではノスタルジーも含めて盛り上がる話題といえるでしょう。

雑学+社会見学あるいは給食の歴史、みたいなものかと思いきや現役の学校給食の栄養士さんによる熱量たっぷりの給食愛が詰まった本でした。背景として歴史もひもときながら、それを踏まえてこうなっている今の事情が細かく記されています。法律で細かく定められた調理法や衛生面の決まり。日々の献立と栄養バランスをどう調整するか。年間の予算と仕入れ。レシピの工夫。提供するまでの段取り。子供たちの好みと、受けるもの受けないもの。気をつけなければいけないことが多すぎて、私は読みながらこれは絶対自分にはできない仕事だと震えました。無理無理。そんながんじがらめの制約の中で、チームで連携し、さらにクリエイティブな取り組みをルーティンの中でやっていくのはご本人も本文中で使っていましたが「給食バカ」のなせる技なのでしょう。もちろん雑学本としても読めますが、仕事本としての啓発力もなかなかの高レベル、ハイカロリーな一冊でした。

給食の謎 日本人の食生活の礎を探る (幻冬舎新書 713)
松丸 奨 (著)

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