読書メモ:革命のファンファーレ 現代のお金と広告

オーディオブック読書

キングコングって人気番組には出ていたのでしょうけどたくさん若手芸人がわーっと出てきた時期だからかと思いますが認識をあまりしていなくて印象を持てていないできたのでした。コンビ名と顔と名前が一致する、ぐらいでした。モーニング娘。もAKB系もメンバーが変わったり増えたりするともうおじさんはわからなくなってしまうのです。

そんな中でネットニュースの見出しで「キンコン西野炎上」というワードが急に連発で出てきて、あまりに頻繁に出てくるので何が起きているのかと見てみると、ひな壇芸人を否定とかいわゆる自分の業界に引っ掛かりのある発言をして芸人やテレビ業界周りで顰蹙をかっている、というようなもので、まあ僕らから見たらどうでもいい話なのでああそうですか、と流すわけですが、「また問題を起こした」「また問題発言をした」「大物タレントも怒った」「業界にいられるのか」などの激しい波状攻撃に、ずいぶんなことだなあ、そしてこの西野という男は何の目的でこんなに煽っているのか、それともただの天然なのだろうかと思いを巡らせたことを覚えています。

次に彼の名前を連発で見たのは絵本『えんとつ町のプペル』絡みでした。制作を分業するという話であるとか、クラファンをやるとか、個展とか絵本の内容以外のトピックも次々と記事として露出し、ああ、こちらに行こうとしている人なんだと認識を上書きしたのでした。本書は主にその頃、「えんとつ町のプペル」の制作からマーケティングについて、さまざまな取り組みとその結果について綴られた一冊です。絵本制作の分業制、クラウドファンディングの活用、フリーミアム戦略、2次利用の解放、原画展の委託などかなり勇気のいる作戦を次々に実行。それぞれはマーケティングの手法としては見聞きしたことはあるものですが、かといって会議でこれらを決定するのは今でもかなり敷居が高いのが現実です。ソロ活動とはいえチームで制作している作品で関係者も多いでしょうから、よくここまでやりきるのは大変だったろうことは想像できます。また、私が記事で見たようなバッシングもたくさんあったでしょう。それも一つの宣伝になるともいえるかもしれませんし、叩かれることで生まれるエネルギーもあるかもしれません。どちらがいいかは分かりませんが、ネットから生まれる正と負の力とその方向をわかっているからこそできた判断もあったでしょう。

本書はプレスリリース「日本初の“AI本人オーディオブック” をaudiobook.jpで配信 第1弾は著者・キングコング西野亮廣さんの声で読む『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』」を見て、ほうほう、それでは試してみようと読んだのですが断片的なニュースの情報だけで構成されていた西野氏の色々な謎が解けて面白かったです。ただ本人の声を学習して生成されたという点に関しては、本人の声をあまり把握していなかったのでピンと来なかったです。本人の声で聞きたい需要は実際のところどのあたりにあるのかなあ、と振り返って考えると、やはり声だけじゃなくて語り口全体が大事なのかなあ、と思います。例えば「窓際のトットちゃん」を黒柳徹子さんAI音声で、となっても声だけだと本人の感じにならないんではないかなあ、とか。今後音声+AIがどう進んでいくか、一つの選択肢としての興味深い実験作でございました。

『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』
西野 亮廣 (著) 幻冬舎

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