読書メモ:専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド(特典付)

オーディオブック読書

本書の読後感は、独特だった。なんというのでしょう、うわー、そうだったんだ、失礼しました、という感じだった。ひとえに、私の偏見モードで読み切ってしまったことが原因なのですが。ちなみに、私は齢50を超え、これからの人生、成人病の先送りを常に意識しなければいけないので、このジャンルの本は目についたら読むようにしております。目についたら読むようにしていたらレコメンドでよく出てくるようになって、頻度が上がっているかもしれません。

そして読書メモを書くにあたって、私のこの感想がネタバレになってしまうのではないかと今少し迷っている。迷いながらキーボードを叩いている。だけれど、あらためて本書のタイトルを見てほしい。「肝臓から脂肪を落とす食事術」でございます。ネタバレも何も、実用書ではないか。ネタバレというのは小説のシナリオの結末をバラしてしまうことであって、実用書の場合はどちらかというと引用とかそっちなのではないか、私もそう思っているのですが。ちょっと、事情があるのです。

肝臓の専門医が地方でスマート外来という、糖尿病や脂肪肝、またはその予備軍の人に、食事指導を中心とした減量サポート、生活習慣改善をしているサービスを提供している。という事実に基づいて、これまでサポートして症状・数値が改善して無事卒業となった患者さんをモデルに、通院までの経緯からスマート外来でのヒアリング、そして生活改善に取り組む流れをストーリー形式で綴った内容なのです。お酒を飲まない人も、脂肪肝になる。また太っている人だけがなるわけではない、という油断は禁物なところも、環境の違いや世代にあるあるな習慣も取り込むべく3人のケースを紹介している。カウンセリングの会話のシーンが中心なので、実際に外来を受けている感じで読める。オーディオブックだと声で入ってくるので余計そうですね。

この懇切丁寧でゆきとどいた作りに、私はてっきりこの本は著者が自分のクリニックを宣伝するために大枚をはたいて出版コンサルタントに依頼し、企画の切り口からライティングまでかなり綿密に作りこんだのではないかと確信して読み進めていたわけです。どういうことかというと、設定も、ダイアローグ部分の自然さも本当によくできていて、もちろんモデルとなるような人もいたのであろうし、実際の会話も元にしているとは思うんですが、とてもこなれていたのです。大事であろうことは念押しで繰り返し出てきたり、配慮の細やかさも、こだわりまくっているなあと感じたですよ。ですが、本書終わりにそうでは無い、企画のいきさつがはっきりと書かれていまして。また著者への著者のオーディオブックへのこだわりも力説され、またオーディオブックのみの特典までついているというサービスぶりに私は赤面したのでした。それが冒頭の感想でございます。ネタバレではないですけれども、勝手に勘違いして読んで読み終わって恥ずかしく思ったという、ただそれだけの話です。大変失礼いたしました。

『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド(特典付)』
尾形 哲 (著) KADOKAWA

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