購入したけれど読まずに溜まっていってしまう本を「積読」といいますよね。
オーディオブックは聞き放題が中心になるので、私もつい景気よくカートに入れてしまう傾向があります。あまり恥ずかしくていいたくないのですが、今アプリのライブラリを見ると623作品あって、「聞き終えました」となっているのは262タイトル。つまり半分以上が「積読」されている状態です。
さらに困ったことがあります。昔ライブラリに入れた作品はリストの下の方に埋もれてしまい、救い出すのもままなりません。下の方に行きすぎると、そもそもそれを聞いたのか、まだ聞いていないのかの判断もつかなくなってしまいます。
そんな悲しい環境がありまして、さらにいうとこれも恥ずかしいのですが、すでに聞いたことのある作品をもう一度聞いて、新鮮な気持ちで感想文を書いてアップしようとしたら、すでにアップされていた……ということもありました。本当にいいたくないのですが。
本書はイーロン・マスクの自伝なのですが、これは積読本ではなく、「読んだけれど感想を書けない本」です。いわば「読了積読本」。読んだものの、感想文を書かないまま溜まってしまうタイプの本です。
基本的には、読み終えたらその週のうちにさっと書いてしまうルーティンにしています。そもそも評論みたいな大袈裟な話をするつもりで始めたわけではなく、あくまで自分のログとして始めたものなので、ほとんど独り言のようなものです。あとで書くと思うとちゃんと聴くようになるでしょう、というしばりをかけてみたのです。
本の内容そのものというよりは、「こんなことを思い返した」とか、「これをポチッとした自分の動機」とかモチベーションについて振り返ってみようといった、自分の内側の記録が中心です。
そんな感じなので、公開しているのもどうなんだろうとも思います。他の人が見て役に立つようなメモではありません。「こんな本がオーディオブックで出ているよ」という程度の情報しかないのです。なのでいいたくないけどほとんど読まれていません。せっかく書いたからには読んで欲しいんだ、もそんなにありません。シェアもしてません。
それでも、パッと感想文を書ける本と、なかなか書き始められない本があります。ベストセラーになり映画化もされた「国宝」なども、どこから書いていいか分からず手が止まってしまったことがありましたが、本書もまた、感想を書き始めるのに躊躇してしまう一冊です。
世界一の富豪であり、SpaceXやX(旧Twitter)、そしてTeslaという3つの会社を立ち上げて経営し、さらに第2次トランプ政権にも参画して話題となったイーロン・マスク。
彼は一体何人いるのでしょうか。どんなことをやっているのか。生活はどのようなものなのか。
確かに興味はありますし、普通ではないことも想像できます。「首相官邸」のように、「普段どんなことをしているのだろう」「どのように時間を使っているのだろう」「誰とどう付き合っているのだろう」といったことは、自分の生活に直接役立つわけではないかもしれませんが、覗いてみたいという好奇心は誰しもありますよね。私が本書をポチったのも、そうした野次馬的な興味からでした。
また、自伝という形ではありますが、スタートアップの成功談にはビジネスの真髄が詰まっています。「あんな大企業もこんなところから始まったのか」というストーリーは、読んでいて元気をもらえることが多いものです。
そうしたストーリー構成の巧みさもあるのでしょうが、自己啓発書として読める側面も多く、そういう意味でも期待していました。同じ著者による「スティーブ・ジョブズ」も読んでいたので、その延長線上の気構えで読み始めたのですが、冒頭から圧倒されました。
私の想像をはるかに超える破天荒さにただただ驚き、「こんなことがあり得るのか」と感じるばかりでした。こうした経験やステップを経て企業が成長してきたという事実と、その裏側で起きていたであろう出来事とのギャップに愕然としながら、最後まで一気に読み切ってしまいました。
というわけで、「積読」を消化するために書いた感想ではあるのですが、私の感想としてはこれで以上になります。
イーロン・マスクと私は同い年なのですが、同じ50数年という時間の中で、ここまで違う人生を歩んできたのかと思うと、もう言葉がありません。ないです、無理っす。
以上です。
『イーロン・マスク 上』
ウォルター・アイザックソン (著), 井口 耕二 (翻訳)



コメント