読書メモ:壁打ちは最強の思考術である

オーディオブック読書メモ

前にも壁打ちの本を読みました。

どんだけ壁打ちが好きなんだよ、って話ですが。

「壁打ち」という言葉には、いまだに少し引っかかりを感じてしまいます。最近では「1on1」というビジネス用語がすっかり定着してきましたよね。本書の著者・伊藤羊一さんも、1on1に関する実践をされています。

では、ビジネス用語としての「1on1」と「壁打ち」は何が同じで、何が違うのか。1on1・ミーティングと言えば、会社の正式な制度やプログラムという印象があります。でも、壁打ちは違いますよね。社内スケジュールに「部署ミーティング」「1on1:○○さん」とは書かれていても、「○○さん 壁打ち」と書いてあることはほとんどありません。・・ですよね?

このあたり、言葉としての定着度や位置づけがまだまだ異なると感じます。「壁打ち」という言葉そのものにも、「壁に向かって打つ」という孤独なニュアンスがあって、人を“壁”に見立てるという感覚に、どうしても距離を感じてしまうところがあります。なんというか、真正面から向き合えないような、居心地の悪さがあるというか。この言葉はこれ以上、ビジネス的に“偉く”はならないのでは? とか思ったり。あくまで個人の感想ですよ。

ただ、本書を読むと「壁打ち」はそうしたイメージとは違って、もっと実践的でことを成すためのプロセスに必須なものとしても捉えられています。1on1とは違い、思考を整理するためのカジュアルなコミュニケーションの場。会議や雑談のように相手と対話しながら、自分の頭の中のモヤモヤを言語化していく。それが壁打ちの本質であり、構造化されていない思考を、行動に繋がる形に整えていくための「思考術」として位置づけられているのです。

私自身、意識していなかった頃から自然と壁打ち的なやりとりをしていました。壁打ちの相手が信頼できる人であれば、たとえ深く語らずとも、ある程度の前提が共有されているので成立する。その意味で、「壁役」は単なる壁という担当ではなく、信頼されているからこそ意味のあるポジションなのだと思います。

本書では、プロジェクトのステージに応じた壁打ちの使い方や、ふさわしい「壁」のタイプが紹介されていて、まるで「はじめてのおうち選び」のように、相手の選び方や使い方までが丁寧に解説されています。実際の事例や体験談も豊富で、壁打ちをする側にとっても、される側にとっても、イメージしやすい構成になっています。

伊藤羊一さんは、どちらかというとメンター的な存在としてイメージされる方が多いと思いますが、そんな彼が積極的に壁打ちを実践しているという点も新鮮でした。また、別の著作では、生成AIとのやりとりを通じて自身の思考や行動を振り返るような実践も紹介されていて、目的によっては「AI壁打ち」もありなんですね。

「壁打ち」という言葉自体は、まだビジネス公式用語としてまでの存在感があるとは言えません。とてもいい概念だと思うのですが、研修とかプログラム語彙として広がるにはもう少し時間がかかりそうです。いい言葉が浮かんでハマったら一気にメジャーになる気もするのですが。

本書はオーディブルで読みました。

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『壁打ちは最強の思考術である』
伊藤羊一 (著) 飛鳥新社

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