読書メモ+映画鑑賞メモ:プロジェクト・ヘイル・メアリー

オーディオブック読書メモ

文庫版になったばかりなのにレビュー数がすごいと聞き、気になって調べたのが本書です。
文庫化でレビューが引き継がれるのか、という書誌情報的な引っ掛かりから知った一冊でもあります。

そもそも私はフィクションをほとんど読まず、SFにもあまり馴染みがありません。何を読めばよいのか分からない中で、映画化されていて評判も良い作品なら、久しぶりに読んでみようと思いぽちっとしました。タイトルでは全く内容、わかんないですからね。

ただ、しばらくは“ポチったまま”の状態でした。そんな中、いよいよ映画が公開されるというニュースを耳にし、これをきっかけに読んでみようと再生を始めました。すると、いきなり冒頭から持っていかれました。

私は小説も映画もあまり触れてこなかったので、ネタバレに関するマナーやルールがよく分かっていません。そのためこわいので内容には踏み込みませんが、とにかく設定のなんだなんだ?という感じに野次馬みたいについて行きました。

物理的なベースがしっかりしているという信頼感の上でストーリーが進んでいく点も魅力だと思いますが、それ以上に、数学や物理に乗っかった、それも記号として機能したコミュニケーションの非常にシンプルな原則や成り立ちに、強い臨場感がありました。その過程を“愛でる”ような感覚があり、ワクワクしながら読み進めることができました。いや、いわないで語るって無理筋ですねこれ。

読み始めた早い段階で、「この作品は絶対に読み終わったらロスが来る」とはっきり感じていました。そして物語の結末についても、良い終わり方と悪い終わり方、はっきり二つしかないのでは、と。

ただ、大きくは二択のように思える一方で、100%満足できる“よい終わり方”が本当にあるのかと疑問に感じたり、逆に“悪い終わり方”だと「ただ終わるだけ」になってしまうのではないかと考えたり……。どちらもしっくりこない気がしつつも、結末がどうなるのか気になりながら、しかし正直なところ結論は見たくない、という複雑な気持ちで読み進めました。

そして昨日、ついに読み終えました。案の定、虚無感というかロスに襲われたのですが、幸いにも映画が先週から公開されていたので、すぐに予約して今日観に行ってきました。

私はオーディオブックで作品に触れていたのですが、ものぐさでPDFの図版などは一切見ていません。そのため、自分の中で想像していたイメージと、映像化されたものとのギャップも含めて楽しむことができました。

これだけ長い物語を映画の尺に収める以上、ある程度の取捨選択はあったと思います。それでも、「孤独のグルメ」のように、主人公の内面をセリフにすることなく、映像で表現していく演出は、小説から映画への“翻訳”あるいは“コンバート”として非常に高度なものだと感じました。

とても楽しく読むことができた一冊そして映画でした。

オーディオブックならではの演出もありましたので、オーディブル会員の方はそこだけでも聞いてみるのも面白いですよ、どこといえないのがあれですけど。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
アンディ・ウィアー (著), 小野田 和子 (翻訳)

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