『暇と退屈の倫理学』は面白かった。先日、はじめて話す方と最近読んで面白かった本を出しあう中で本書が出てきて、「超いいですよね!」とキャッキャしたのですが、内容はどうかというと出てこない。面白かったという記憶しか残っていない。これはまあ、ほとんどの本についてそうなのでもう仕方がないことだとあきらめています。いつか食べた絶品の鰻だって、もう体のどこに残っているでもなくなっているわけで、そんなに期待してはいけないのです。ただ、いいわけするわけではないが、いや、するんですが内容は結構難しいところがあったので実は最初から入っていないところも多かったんですね。手応えがありすぎながらも、語り口と展開とエピソードが面白くてついていきます!って感じになったのを覚えています。そして、『暇と退屈の倫理学』というタイトルがまず洒脱だなあ、哲学だなあ、こういうことを考え語れたらかっこいいなあと、また哲学的ではない意識低い系の欲望を自覚してしまったのですね。そういう感情が芽生えるような面白さを感じた、ということです。
で、本書は『暇と退屈の倫理学』の続編的な位置付けのようなことがありましたので早速読んでみました。東大の特別講義がもとになっているとのことで、大学生・高校生が参加しているようです。いいですねえ〜。
第一部 哲学の役割――コロナ危機と民主主義
第二部 不要不急と民主主義――目的、手段、遊び
多分1部と2部はバラバラの講義だったということでしょう。第一部はまだコロナがおさまる前、全員マスクが当たり前だった頃のように見受けられました。行動が制約された、でもそれを管理する国としない国もある。確かにあのころ、私たちはちょっと哲学的なところをうろうろし始めたことがありましたね。「一体これはなんなのだろう」「10年行動が制約されたら人生損することになるがその国の人全員損するから平等なのか?」みたいな。
この「コロナの振る舞い」をケースとして「哲学する」のは大変刺激的で、でも緊張感もあるいい試みだなあと思いました。講義ベースではありますがライブ感まではいかないとしても時事感がですね、ヒリヒリしますね。質疑応答のレベルの高さも口あんぐりレベルで、高校生とかがついていってるのだけでもすごいのにこの質問。哲学に関心が出ましたとかいいながら芯を捉えているこの絡みも気持ちがいいです。
『目的への抵抗』
新潮社 國分 功一郎 (著)

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