本書は売れていて、ランキングでもずっと露出していたので気になっていたのです。経営と名のつく本でここまで一般書上位に居続けるのは何があるのだろうと、探るわけでもなくただ眺めていたのですが。どうしても目に飛び込んでくるのが「上司はなぜ無能なのか?」というタイトルの4倍ぐらい大きいのではないかという帯コピー。売れている理由はこのコピーなのでしょうか。上司はなぜ無能なのか世の人々は知りたいと思っているのでしょうか。上司が無能な理由がわかったら何か得るものがあるのでしょうか。と食いつきたくなる感じがいいんでしょうか。私が病んでいるのでしょうか。ともかく、引っかかりの強い帯コピーです。
私は、「何事も○○で表現する」のが好きでよくやってしまい引かれることがあります。何事もプロレスでいうと、や飲み屋でいうところの、みたいにあるジャンルで例えるのを連発してしまうのです。はまって盛り上がるといいのですが、大体は「私プロレス知らないからわからないけどなんかわかります」と気をつかわれながら引かれることがほとんどです。本書のタイトルを見たときに、ん?これはあいうえお50音好きなのをいっていただければ経営に絡むフレーズで返します、的なやつなのか?とそのにおいを感じました。けれども新書のワンテーマであくまで経営の本だと思い込んでおりました。オーディオブックなので目次はあらかじめ見なかったのですが、
- はじめに:日常は経営でできている
- 1 貧乏は経営でできている
- 2 家庭は経営でできている
- 3 恋愛は経営でできている
- 4 勉強は経営でできている
- 5 虚栄は経営でできている
- 6 心労は経営でできている
- 7 就活は経営でできている
- 8 仕事は経営でできている
- 9 憤怒は経営でできている
- 10 健康は経営でできている
- 11 孤独は経営でできている
- 12 老後は経営でできている
- 13 芸術は経営でできている
- 14 科学は経営でできている
- 15 歴史は経営でできている
- おわりに:人生は経営でできている
- 謝辞:本書は他力でできている
- タイトルはパロディでできている
今ここでこう見たら、これは経営がわかる本ではなく、経営で世の中を語る本だとわかります。それを見ることなくあれ?おもしろエッセイ?なんだ、なんの本なのだと混乱してしまったのはかなり理解ロスをしてしまいました。面白さを楽しみ尽くせずもったいなかったです。オーディオブックで読む場合はエッセイとして先入観なく味わうのがいいと思います。
![](https://book-on.pro/wp-content/uploads/2024/06/71y1KaO7qL._SY522_.jpg)
世界は経営でできている (講談社現代新書)
岩尾 俊兵 (著) 講談社現代新書
コメント