読書メモ:生きづらさについて考える

オーディオブック読書

内田樹さんの単行本を読んだのははじめてのような気がします。エッセイとかインタビューは読んだことはあった、、と思うのですが。色々なテーマについて書物を執筆している現代思想の先生、という肩書き的な知識しかないのですが、これだけ執筆されているということは何かがある方であるのは間違いない。そして結構難しそうな本が多いですね。これはオーディオブックで「読んだことあるフラグ」を立てておくのが一番いいのではないでしょうか。「生きづらさについて考える」なんとなく著者の思想が出てきそうなテーマであり、「街場の」シリーズを書いてきた著者の真骨頂的な印象を受けます。

読んでわかったのですが、本書は著者が雑誌などに発表した記事やインタビューを集めたものでありました。そして、連載もあったのかもしれませんが媒体も扱うテーマも記事によって違うためそれについていくのに頭が馴染むのに時間がかかるところもありました。ここはあらかじめ押さえておけばよかったポイントでしたね。書籍の目次や書誌に初出があれば一番いいのですが膨大になってしまいますね。オーディオブックのキャプションにあれば・・いや、普通ないですよね、仕方がないですね。

エッセイのようなカジュアルなものもあり、著者の学生時代のエピソードや時代感、生活感だとか趣味とかが綴られているのは、はじめて読むにあたって親近感を覚えさせてくれてよかったです。また、大学教授として教育に従事された経験に基づく日本の教育論などは歴史の勉強も含めて興味深いものがありました。あと個人的に面白かったのが日本におけるマルクスの著書の読まれ方と意義について、また著者本人がどのように読み血肉としているか、という記事でした。自慢ではないですがマルクスを読んだこともなければ、マルクスとマルクス主義の違いについてもはなはだあやしく偏見すら持っていない私のようなものでもこれは一度読んでみたいなと思えるほどでした。本当に読むかを保証するものではありません。

『生きづらさについて考える』
内田 樹 著 毎日文庫

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