読書メモ:エッセンシャル思考

オーディオブック読書

本書は久しぶりの再読となりました。何年ぶりでしょう。これまではaudiobook.jpの独占販売だったのですが、audibleでも販売開始されたので新着情報からポチッとしました。

若い頃はそんな視野そのものを持っていなかった。目の前に疑いようのない仕事があり、それをひたすらこなしていき、疲れて酒飲んで寝る。の繰り返しだった。その仕事がエッセンシャルかどうかは置いておいて、厳然と仕事はあった。迷う選択肢も知恵もなかったのでシンプルなことである。

仕事での人づきあいも出てきて、異動して新しい出会いがあり、以前の仕事との兼ね合いが出てきたり、部下ができたり上司が変わったり。また結婚したり親戚が増えたり子供ができたり親の調子が悪くなったりはたまた自分が体を壊したり。いわゆる世代あるあるのレイヤーが増えてきて、いいおっさんの歳になるとレイヤーがミルフィーユ状態で、しがらみや立場にまみれていくことになる。程度の違いこそあれ、仕事でも、プライベートでも、立場のタグは年齢を重ねるごとに増えていくものでしょう。特に子育てや介護は自分で時間のコントロールができない部分も多いので他のレイヤーに影響し、調整の必要が出てきたりして他者に相談や依頼をすると、それ自体が新規のしがらみとなりひとつのポジションを形成してしまう。なすべき事そのものよりも、なすための調整が重くなってきたりする。なんでしょう、ここの部分がスラスラと気持ちよく書けてしまうのは。そしてエンドレスに筆が進んでしまいそうだ。いったんおしまい。

「忙しいんだけど充実していない」「本当にやりたかったことができてない」「本当にやるべきことってなんだったっけ」が常態化するとみんなが思考停止というか、みんなが不幸な状態ですよね。それでストレスになり、周りとのコミュニケーションが悪くなり、食生活なんかも乱れたりすると体に悪影響が出たりとあちらこちらに負の影響が。そして、そのあちらこちらの各論についてどうしたらいいかというノウハウもアカデミックなもの、書籍、ネット記事などで処方されている。いわゆるハウツー本も多い。ストレス軽減・マインドフルネス・ダイエット・コミュニケーション・自己肯定感を高めるetc. でもやっぱり、ストレスの根っこにあるのは「忙しくてやらなきゃいけないことができない」という恒常的な時間不足であるのであれば、本書が提唱する「エッセンシャル思考」が一番根本的かつ合理的な考え方であるだろう。断るのは勇気が必要だったが、思い切って切り出したら存外みんな理解してくれた、というエピソードは心強く響きますね。ロングセラーになるのもうなずける、たまに読み返すべき一冊。

『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』
グレッグ・マキューン (著), 高橋 璃子 (訳), けんぞう (ナレーション), かんき出版

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