読書メモ:仕事の辞め方

オーディオブック読書

鈴木おさむさんはもちろんお名前も、何をやっている方かも知っていました。今回の放送作家を辞めるという話もネットニュースの見出しで見たので情報としては知っていました。ベテランの大物放送作家という認識でしたが何の番組で何をした人かが紐づいていなかったのです。そもそもを考えると人気番組のプロデューサーはセットになって名前が出ることは多いですが、放送作家はタレントさんや芸人さんがやっていてもそこまで名前は表には出ないような印象があります。裏方役にも関わらずこれだけ名前が有名なのは、やはりそれだけの実績を残しているのと、本業以外での仕事の幅があり、また結婚や育休などの話題もニュースとして扱われたことが大きいのでしょう。話題の本がちょうどよくオーディオブックになったということでぽちっとしました。

今知ったかぶりをかましましたが、テレビの業界については本当に何も知らなくて、もちろん鈴木おさむさんのお名前と放送作家という肩書きは存じ上げていたのですが、放送作家が何をするのか、本書を読んでなるほどと思いつつ、やっぱりよくわからない。放送作家さんが局の中の人か外の人か、裁量や力関係はどうなのか、全然わからない。トータルで関わる人の多さと責任を考えると気が遠くなるほど大変そうだなあ、と感じます。しがらみ、多そうです。そういう、「ギョーカイ」のど真ん中で人気番組を担当し数少ない「名前の出る人」として有名になっていることから逆算して、すごいできる人なんだろうなあ、と。

そんな仕事を任される信頼と責任、猛烈な仕事量とコネクションとしがらみとをリセットしての放送作家辞める宣言。このような決断に至るまでのこれまでのキャリアや出来事、20代から現在に至るまでの仕事の役割や関わりの変化についてが本書の内容です。サラリーマンである制作プロダクションや媒体局の人と、事務所にエージェント契約しているタレントやアーティストたちと、雇用形態も立場も違うチームで仕事をされてきたという経験からも語られるキャリア感には感じいるものがあります。会社を辞めるのと、やってきた仕事を辞めるというのは訳が違います。プロスポーツ選手が「まだまだやれるのに」状態で引退するのとも、通じるような、また違うようにも思いますが、著者と一つ違いのほぼ同世代のおじさんとして響くところもたくさんありました。オーディオブックを聴きながら脳内で自分の考えに脱線してしばらく頭が耳から遠ざかって巻き戻したり。ソフトな方も、スーパーハードな老害の方も、みんなみんな団塊ジュニア、読みましょ。

『仕事の辞め方』 鈴木 おさむ (著) 幻冬舎

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