読書メモ:失敗しない読書術 (フォレスト2545新書 147) 

オーディオブック読書

読書術も永遠のテーマといいますか、読書好きには読書が切っても切れないものでありますから、読書術も必然需要が途切れないジャンルといえるでしょう。考察というには当たり前すぎてこそばゆくなってきますが。ただ情報を得るという意味では書籍というメディア以外でもたやすく、また安価に取得可能になっている中で、読書の立ち位置というのも若干変わっているのかな、そのようなアプローチもあるでしょうし、本の読み方としての電子書籍やオーディオブックという選択肢にフォーカスすることもできるでしょう。そんな中で本書は、紙書籍を半端なく多読している著者が書いたユニークな一冊です。

「情報クリッピングマスター」と肩書きに書かれた方と名刺交換したことは私はありませんが、著者のお仕事は企業が調べたいキーワードが含まれる記事を、新聞や雑誌など様々な媒体を調べて提出するという、確かに言葉通りの業務をされているとのことです。いうならば人力検索エンジンという感じでしょうか。そういえば昔PRの仕事をしていた頃、ヒット作が出ると「こんなにあちこちの媒体で記事やランキングに出ていますので、このテレビ番組でも話題として採り上げていただけないでしょうか」というエビデンスにするために、このようなクリッピングのサービスにお世話になっていたことを思い出しました。営業の窓口の方とはやりとりすることはありましたが、実際にクリッピングの実務をやっている方とは接点がなかったので、細かい業務の内容は知らなかったのですが、レポートが送られてくるたびに、膨大なメディアからはたしてどうやって探しているのだろう?というか商売として成り立つのかしら?と興味はあったんですよね。逆にいえば商売として成り立たせるぐらいのテクニックやノウハウがあるということなのでしょう。文字に関わるという共通点こそありますが、このようなキーワードを調べることと読書は別もののように感じますが、これを本選びから読書ノウハウにまでつなげる技術が著者ならではのメソッドになります。語彙の部分など私には一ミリもなかった発想で、理解できているのかも危ういのですが、面白いなあ、と。読書を血肉にしようという気持ちは僕にもありますが、あいまいな気持ちがあるだけでした。この歳になって全く思いもよらない読書を深める方法に出会うって刺激的なことですよ。

後半は、自身の読書記録をSNSで発信している著者の「せっかくアップするんだから読まれて、よかったと思われた方がいいよね!」テクニック集も綴られています。なぜインスタなのか、写真できをつけるべきこと、実際の投稿例、そして私が思わず脳内で、「やりますな」とうなったのは投稿タイミング。自分ログとしてコツコツ残していけばじわじわたまっていって読まれることもあるじゃろうて。とのんびり構えていた私ですが、そうだよなあ、同じもの書くんだったらすぐ見られた方がうれしいなあ、ってもう情けない限りですが。メソッドと気遣いとユーモアがすみまで張りめぐらされていて、ゆきとどいているなあ、と感嘆。

ちなみにオーディオブックではデジタルボイス版でした。

失敗しない読書術 (フォレスト2545新書 147)
名もなき読書家 (著) フォレスト出版


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