読書メモ:近畿地方のある場所について

オーディオブック読書

これはやられました。私はサプリメント的な補給をしようとリベラルアーツ系の本をライブラリにはいつも放り込んであって、ビジネス系が続いたらちょっと人文系挟むか、と聴くのです。リベラルアーツというとアカデミックな威圧感がありますが、門外漢でも読める一般教養のワンテーマ新書が多いです。あまり言葉が難しいと脳内漢字変換が厳しいのですが、元本を読んでから判断できないのでこれはぶつかってみるしかありません。そんな中で本書は、まさにジャケ買い的に「人文系サプリメント」要因としてぽちっとした一冊でした。「近畿地方のある場所について」なんとも民俗学的な香りがするではないですか。奇祭みたいなのがあったり特別な風習があったりするとか。そういう地方研究レポートか何かだと思ったのですね。まあそういう話もあるにはあるんですが、全然違いました。内容紹介をちゃんと見ろという話ではありますが、見ないんです私。

あまりこのジャンルの本を読まないのですがホラー小説という呼び方であっているでしょうか。怖い物語です。なんというか、全編通じて気味の悪さが一定のレベルを維持しているというか、朝の通勤電車でどういうテンションで聴いているのだと不思議な感じになりながらもしっかり読み終えました。こういう本はどこまでがネタバレと呼ばれるのかがわからないのですが、怖い怖いと書いても「個人の感想です」なのでネタバレにはならないですよね。私も聴きながら、残り時間を気にするぐらいの佳境に差し掛かったとき、一体この物語がどう終焉を迎えるのか、そんなところもハラハラしながらの体験でした。要は、満喫したということです。

それにしても構成力すごいなあ、と思います。ずっと高いレベルの居心地の悪さを維持するのは筆力ですね。

近畿地方のある場所について
背筋 著 KADOKAWA

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