読書メモ:最高の死に方をするための最高の生き方

オーディオブック読書

死生観とか死生学がテーマの本は手に取りがちだ。救いを求めているのかと聞かれると完全に否定はできないけど、どちらかというと人がどのようなアプローチで命と向き合っているのか、実際みんなどう考えているんだろう?っていうところに興味がある。アカデミックな本なら、どこを証明したいのか、どの事実を突き止めたいのか、みたいなことが知りたくなるのです。あんまりね、飲んだ席で周りの席の人に「ぶっちゃけ輪廻って信じてる?」とか聞いて皆の酒を抜いてしまうことも避けたいし。世代的なギャップもあるだろう。子供の世代とかは宗教含めて人は生まれ変わったら〜、という言説のシャワーは自分たち世代ほど浴びていないけど、どう考えているんだろうとか興味ある。

で、本書も自己啓発書で死生観アプローチな感じなのかな?と内容紹介もろくに見ずに読み始めた。いきなり、著者が生まれ変わった回数で自己紹介が始まった。そして、どちらかというとあの世がホームで現世は修行の場だ、とか寿命は決められてから生まれてくるのでそうそう変えられるもんじゃない、などの「FACT」として語られる。おお、スピ本久しぶりだなあ。言い切っとるなあ、とぐいぐい没入した。面白い。

前世の記憶がある人は代々積み上がっていくわけだから、脳内メモリ結構使ってる状態で生まれてくるのかなとか、最初はツッコミを入れながら読んでいたのだが、内容に自分が入っていくとちょっと感じ方が変わってきた。本書は「死は怖くないよ」「ご先祖様の扱い方」「あの世での生活」「延命治療はどうなの?」などのテーマを通して、現世での私たちの振る舞いについて指南してくれる。そしてそれはいわゆるスピ的な行動を勧めているのではなく、普通にいいことだ。普通に、って曖昧だけど、善行というほど押し付けがましくない自然ないい感じ。徳を積む、というほど抹香くさくも無い。

だったらこのようなアプローチは宗教が相対化された時代の(いや、グローバルにどうかはわからんけど)人類平和化システムの、一つのあり方ではないかな、このようなアプローチが「刺さる」人にはいいよね、ってほんとに思った。そのためには「FACT」でなくちゃいけないんだな。維持するのは大変でしょうが、必要な人に届いたらいいなと思ったです。

『最高の死に方をするための最高の生き方』
並木 良和 (著) PHP研究所

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