読書メモ:起業の失敗大全 スタートアップの成否を決める6つのパターン

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このブログは読書メモの形をとっている。本がどういう内容でどんな気づきを得たかということについてはほとんど書いていない。なぜかというと他の人が書いた要約とかレビューとかをみれば思い出すであろうからだ。さらにいえば自分用のメモはそれだけだと不親切すぎて、なんでここを抜き出したのか思い出せないことが多い。そして、見返すかも怪しいそのメモに、やさしく「ここが響いたんだよね、なぜかというと〜」と将来の自分用に補足してあげるような感情は持ち合わせていない。どちらかというと、あちこち契約していてコンテンツにあふれるサブスクサービスの中で、自分がなぜにこれを選んで時間を消費したのか、そちらをひかえておきたかったというのが理由なのです。ですが、正直そんなにはっきり言語化できずなんとなくポチッとやっていることが多い。何せ、サブスクですし。理由はなんとなくでも時間はしっかり取られるわけなので、意識していこうぜというのも結果的にあるかもしれない。また、後付けでこういうマインドだったのかもな、などと作文してしまっているところもあるかもしれない。実物よりブログの方が意識高くなっちゃっているかもしれない。まあ、フィクションとかエンタメとかはそんな目的とか意識とかではなくいいと思うんだけど。そうか、途中で観たり読んだりをやめてしまったものを挙げるのも面白いかもしれないな。。

ビジネス書などは基本目的本だと思う。それは自己啓発的な内容のものにしてもどこかを啓発されたいという目的があって手に取るのだろうし、問題解決や、ゴール設定などについてもそうだろう。大きな題目、細かいもの、技術的なもの、マインド的なもの、コミュニケーション、まあ色々ありますがそれが「経営」となると基本、全部入りだ。だから経営書って経営者のものにしてしまう必要はないと思う。

というか、特に海外のスタートアップ起業ストーリーは私好物で、私自身が起業を企んでいるとか勉強のためとかでは全然なく、モチベーションアップには最高の読み物だと思っている。アップルやピクサーもスタバも、ナイキもそうだし、アマゾンもネットフリックスも、面白かった。メガベンチャーになってない会社のものもまだまだあるだろうが、アイデアが降りてきて、頑張ってスタートして、でも苦労したり「もうだめか」という瞬間があったが運も味方し乗り越えた、みたいな。こう書いちゃうとチープすぎるけど、今自分たちが使っている商品やサービスがこのような経緯で世に出たんだ、ということを知るのはエキサイティングなことである。ウンチクとしても、いいですよね。

で、本書なのですがスタートアップの失敗についての本なのである。これは、モチベーション的にはどうなんだろう。相殺されてモチベーションプラマイゼロ、になるのだろうか。まあ、それを人体実験するために読んだわけではなく、友人の山中礼二さんが翻訳協力というクレジットもあったのでこれはと読んでみたわけです。結果からいうと、相殺ではなく、あまじょっぱい感じですかね。どっちも残るというか。そもそもがハーバード・ビジネス・スクールの先生が書かれたかっちりしたアカデミックな本で、起業立志伝ではそもそもない。

ケースが当然ながら生々しく、取材と分析に基づいて振り返り考察されているので、なんだろう、ストーリーに感情移入しながらも、結果としてはこの事業はうまくいかなかったことをわかっていて読むのはなかなかパワーが要るもんだなあと。そして、特に最後の方、Part3では続けるべきか、やめるべきかの時期の記述がなかなかに厳しい。とかく起業ものは創業者の顔ばかりがクローズアップされがちだけれど、ステージによって変化する「経営に求めらる判断」などは唸りますね。時間の感覚も、歪みます。勝手にくらって船酔いしそうになりましたよ。つまり、いい本なんだと思います。

『起業の失敗大全 スタートアップの成否を決める6つのパターン』
トム・アイゼンマン (著), グロービス (翻訳) (著) ダイヤモンド社
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