今週のピックアップ
出版業界ニュースの更新情報ページ(RSS)をつくりましたよ!今週も一回壊れて復旧に随分と時間がかかりましたよ。手間のかかる子はかわいいんですよ。でも、手間のかかんない子最高!
なにいっているのかわかんないですけど、ぜひ使ってくださいね。
デジタルブックトピックス:
オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係
オーディオブックで聞かれるジャンルは? 「audiobook.jp」が2025年ランキング公開(media innovation)
ランキングそのものは公式のリリースと同じですが、季節感があるものはいいですね。アラカルト1位の『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』は木下さんの著作の中ではビジネス書ではないということでレアですが、やはり悩まない境地に立つまでにここまで言語化されていることに圧倒されましたですね。
ログイン率100%・再生率96%! 壱番屋の「聴く読書」で社員の自律的な成長を促す方法(audiobook.jp)
企業導入レポート。そうかCoCo壱って本社愛知県なんですね。広報の方が車通勤時間かかるんでと発言されていて調べてしまいました。確かに有効活用になりますね。また、社内で聞かれたランキングみたいな機能もあるんだ。これは確かに面白い。
オーディオブックを聴く消費者が記録的な数に達し、起業家精神に富んだ著者や出版社は「オーディオファースト」のトレンドを取り入れている/With Consumers Listening To Audiobooks In Record Numbers, Entrepreneurial Authors And Publishers Embrace The ‘Audio-First’ Trend(forbes)
↑エラー出ていますが飛べます。
出版業界では大きな変化が起きています。従来は紙・電子書籍・オーディオブックの権利が一括で出版社に渡されていましたが、現在は個別に販売できるようになりました。著者は電子書籍を自己出版しながら、紙とオーディオの権利をエージェント経由でライセンス供与することも可能です。
ロサンゼルスのPodium Audioは年間3,000冊のオーディオブックを制作し、総カタログは10,000タイトルに上ります。同社は2013年創業で、独自のアルゴリズムを使ってKindle上のトレンド書籍を特定し、オーディオブック化されていない有望なタイトルを見つけています。2014年にアンディ・ウィアーの『火星の人』のオーディオブック権を獲得し、業界での地位を確立しました。
ちょっと長めの引用まとめをしてしまいましたが、興味深い内容なので翻訳かけて読んでみてくださいませ。著者とエージェントのつながりが強い欧米ではこのようなトレンドができているのですね。日本ではオーディオの規模感がまだそこまでいってないよな、というのもありますけど。逆にですね、私の感じではオーディオが日本で大きく伸長して電子書籍と拮抗するようになったら出版社の収入が落ちるような気もするんですよね。もちろん何もしないで流れに任せていたら、ということですけどね(私は何に対してエクスキューズしているのだろうか)。
電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ
鷹野凌氏: 新春講演会「2026年の電子出版はどうなる?」(JEPA)
恒例の講演会。申し込みました。
男女問わず「異世界」が強すぎる―今年売れたマンガ調査で人気顕著の作品は コミックシーモア発表(オタク総研)
1 位…ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~(コミック)【分冊版】(スクウェア・エニックス)
女性では「異世界」「ファンタジー」「子育て」が人気とのこと。そして上記が女性ランキングの1位だそうなんだけど、このタイトルが「異世界」「ファンタジー」「子育て」のどれに該当するかもわからんですよ。ほんとに。いやほんとに異世界だわー。
この本について質問する機能は、iOS 版 Kindle アプリでご利用いただけます。/Ask this Book is live on the Kindle app for iOS(Good E Reader)
この機能は、読書のエキスパートアシスタントとして、プロットの詳細、登場人物の関係性、テーマ要素などに関する質問に、読書の流れを妨げることなく即座に回答します。
米国版のiPhoneアプリを皮切りに、アンドロイド、専用端末にも実装されるとのこと。ネタバレすることなく上手に答えてくれるとのことで、いやはや親切なことです。次の新サービスはこれまで記事でも紹介した記憶がありますが、これまで読んできた話の筋を教えてくれるというもの。
IT エンジニアのスキルアップをサポートする技術書籍読み放題サービス「TechLib(テックリブ)」の提供を開始(株式会社Legal Technology)
Legal Libraryと販売会社がタッグを組んだ専門書サブスクサービス。今回のパートナーはインプレスさん(の新会社)ということではじめて出版社が組んだということになりますね。
出版とAI
「AI Overviewsの代償はあまりに大きい」 パブリッシャーと Google の戦いは2026年も続く(Digiday)
トラフィック減が強調されていますね。実際のところAIに学習されて答えてくれるので外部リンクに飛ばない、というだけならこれまでもあった検索エンジンの仕様変更ともいえるわけで。争点はgoogleが不当に学習させているのかどうか、になるような気がするんですが、どうなんですかね。トラフィック欲しいなら広告出せ、みたいな感じなのかなあ。それなら感情的にはね、なりますけどね。
グーグルが示した「Webとの再接続」──検索アップデートはパブリッシャーに何をもたらすのか(Media Innovation)
そんな流れの中googleが打ち出したアップデートはネットメディアに寄り添ったものだという記事です。ユーザーが信頼する情報源を選択できる「Preferred Sources(優先ソース)」という機能も実装したとのことで、これまでとにかくユーザーの行動履歴によって見計らってくれたgoogleとしてはちょっと意外な方向性には感じますが。個人的にはネットサーフィンしているといつの間にかゲスな方ゲスな方にいってしまうので、gesu-rank どこまで、みたいなページランクを指定できるとありがたいなあと思いますが。
メタ がAIコンテンツライセンス市場に参入 遅れてきた巨人は獲得競争をどう変える?(Dididay)
メディアとしては複数のAIに学習されるような価値あるサイト内容にしようとか、そういう方向性もあるのかなあと思いました。記事の読めるところまででは、Facebookが獲得競争をどう変えるか、というところまではわからなかったです。
ブルームズベリー、AIを活用した出版インフラ構築でGoogleと提携/Bloomsbury Partners with Google on AI-Powered Publishing Infrastructure(PW)
出版社のコンテンツをAIが学習素材としてではなく、書籍のマーケティングにも活かせるような包括的な提携をする、ということですが、何を使ってどうなるのかな。間口が増えることでプラスになることが増えるのは単純に歓迎な気はしますが、イメージができないなあ。
アマゾンのAIチャットボット「ルーファス」がブラックフライデーの売上を牽引/Amazon’s AI chatbot Rufus drove sales on Black Friday(Techcrunch)
amazonのチャットボット「ルーファス」がブラックフライデーの売り上げに相当貢献したみたいだよ、という記事です。買い物している人の相当部分がルーファスを経由していて、また経由した場合の方が購入率が高いとかの数字もでていたり、でも購入数は横ばいだから物価が上がっただけじゃね?とか、ただカタログとカートの間に大きい存在感のツールが現れたのは間違いなく、外部AIも含めて商品情報がますます重要になってくるのは間違いない。あとはレビューSEOか。。もうひと荒れするかもなあ。
マンガ海賊版「AI検知システム」実用化へ…タダ読み被害月7000億円・削除申請の自動化も視野(読売新聞)
もう、遠慮なく。
We would sell books by AI, says Waterstones boss(bbc)
こういう感じで日本の出版社の社長が発言して記事になるイメージがありませんね。まだ話題としてもオピニオンとしても場ができてないっつうのかなあ。
note、生成AIの社会実装を加速する国家プロジェクト「GENIAC」に採択。出版社やクリエイターに対価が還元される「RAGデータエコシステム」構築へ(note)
この辺もキャッチアップしておきたいところです。「RAG」について一定の言葉のコンセンサスができたらいいなあ、と思います。私もうまくいえなくて詰まってしまうところですね。やっぱ、言葉に落ちるまで理解できていないんですよねえ。
グローバル・各国事情
世界の出版を支配する中国の壮大な計画/China’s grand plan to dominate global publishing(asiatimes)
不動産バブルはじけた後にこの計画がどうなっているか、ちょっとわからないところではあります。間違いなくこの方向にむけて進んでいこうとなっていたことに関しては間違いないと思うんですけどね。
中国のベストセラー:ノーベル賞後押し、意欲的なノンフィクション、児童文学の古典/China Bestsellers: Nobel Prize Boost, Aspirational Nonfiction, and Children’s Classics(Publishing Perspective)
Rights Roundup: Geography and Sound, Surviving in Iceland, and Brain Science/海外ライツ総括:地理と音、アイスランドでの生存、そして脳科学(Publishing Perspective)
フランクフルトライツFrankfurt Rights というグローバルな版権取引のオンラインプラットフォームがあって、おすすめの書籍を紹介しています。どの国からも発信してマッチングできるという感じなのでしょうね。しばらく前ですがIPR(だったかなー)というフランクフルトブックフェアの下部組織みたいなところが同様の取組みをしていた記憶がありましたが、それをPublishingPerspectiveが継承したのかそれとも別のサービスなのか。このような取り組みはいかにもネットと特性を活かしてよろしいことしかないように感じるのでござるが、ここだ!というのが出てきていないように思えます。
フランス出版協会、古本販売による著者への補償を検討/French Publishers Association Looks to Compensate Authors for Used Book Sales(publishing Perspective)
フランスではセコハンのシェアが増えているが、クリエイティブを担う著者・出版社はバリューチェーンの蚊帳の外。どげんかせんといかんと動き出した、という話です。先週ご紹介した台湾の図書館貸出チャリンチャリンの話もありましたね。書籍の値段が諸事情で上がっていくと、それが中古市場活性化につながったりするのかなあ、などとも思ったり。
アニメイトが“中国大陸初”の試み カフェ併設店舗を杭州市に全面開業(オタク総研)
「11月28日に中国・浙江省杭州市に新店舗「アニメイト杭州」をオープン」書籍・カフェ・グッズを展開とのこと。これ、結構ハードル高いことだと思うんですよ。定款ではないですが、中国では店の種類によって扱えるものに制約があると聞いたことがあります。北京でのアニメグッズ店の一角にも書籍が申し訳程度に置いてありましたが、それは書店が売っていることになっている、ということでちょっとぐれーなのかな、そんなことを聞きました。
その他のトピックス:
マスマーケットペーパーバックの最終段階/Last Call for Mass Market Paperbacks(PW)
ペーパーバックの普及版(という表現でいいのかな)の市場がほぼ消滅してしまったという話です。販売部数は2004年の1億3,100万部から2024年には2,100万部へと約84%も急減したとのこと。この部数減は、金額としてもとても大きいものと思いますが、原因としてコスト・チャネル・デジタルなどがあるようです。日本の文庫本とはまた違うニュアンスだとは思いますが、前提となる状況は共通するところもありますね。ぜひ読んでみてください。
とうこう・あい、出版社サイトの翻訳サービス提供開始(新文化)
これ、私もAIアシスタントきのこちゃんに相談したことがあって、都度AIに翻訳してもらうとトークンが跳ねあがっちゃうよねえ、と私がいったら「最初の一回だけAPIを動かして、その時の翻訳テキストを次回以降使うことはできますよ」とのこと。すごいですよねえ。それで中国語レッスンサービスを作ってみたんです。シャレですけど楽しい経験でした。なのでこのようなサービスも当たり前になってくるんだろうなと思います。
「突然、どこにでも現れた」:なぜ一部の本は一夜にして大ヒットになるのか/‘Suddenly, it was everywhere’: why some books become blockbusters overnight
既刊本が突然に複数のSNSに現れ大ヒットが生まれる、その事例。サンマークさんの「コーヒー」のヒットに関する考察もあります。翻訳本ならでは、なのかなあ、翻訳本のエピソード中心です。あんまり販売数が凪だとね、契約更新できないので難しいところですね。
東京都文京区のふるさと納税、6万円寄付で「ドラゴン桜全巻セット」講談社が名作コミックを用意(オタク総研)
これは、ちょっと唐突な話題で驚きましたが、面白いですね。ふるさと納税という仕組み自体に結構ダウトな私ですが、この発想にはぎゃふん!でした。
『ジャンプ』原稿料・専属契約金など発表 初連載の連載準備金が変更
ジャンプすげーとかそういうのはちょっとおいておいて、この発表の意図とか、夢があると思われるのかとか、やっぱり「個」の才覚なのだろうかとか、全く感覚がわからなくて自分の中で収まっていません。解説求む。
B&NとウォーターストーンズのオーナーがIPOを検討/B&N, Waterstones Owner Considers IPO(Publisher’s lunch)
へえーー。
Amazon Ads「unBoxed Tokyo 2025」レポート、AI活用と広告プラットフォーム統合(media innovation)
うう、振り落とされそうだ。しがみついていきたいです。
読書メモ:
『大地の子』1〜4巻
山崎豊子 文春文庫
健康寿命と身体の科学 老化を防ぐ、50歳からの「運動・食事・習慣」 (ブルーバックス B 2291)
樋口 満 (著) 講談社




























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