デジタルブックニュースまとめ:2025/2/23

デジタル書籍・AI・海外版権

2月最後の更新なんですね。はやいですね。私は特に年度末とかではないんですけれど、なんだか慌ただしいのがうつるというか。ニュース数は欧米記事含めて多めかもしれません。

デジタルブックトピックス:

オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係

Spotify、AIナレーションの低品質オーディオブック提供企業の仲間入り/Spotify, the latest company to offer AI Narrated garbage(Good E Reader)

見出しの翻訳がどうもしっくりこなかったのでいじったんですがこんな感じでいいのかなあ。AIナレーションがゴミだ!みたいに一方的におとしめてるわけではないと思うけど。米国のAIナレーターの制作、普及に向けての立ち位置がよくわかる記事です。Spotifyはeleven labsと組んだのですね。Appleもgoogleも環境を整えています。出版社側の意見も聞きたいですね。


Spotify Partner Programの収益結果が一部公開。ビデオポッドキャスト消費量は20%増加(Audio Markething Insights)

ビデオポッドキャストが主役の話なのかな。YouTuberのように動画ポッドキャストで広告収入を得る人が増えている、というのはわかるのですが音声も同様なのでしょうか。いずれにしてもこのモデルが日本でも当たり前になるといいなあと思います。


TOKYO FM、音声番組サブスクリプション「AuDeeメンバーシップ」ポータルサイトを開設(audiostart news)

TOKYO FMとドワンゴは、次世代ファンコミュニティシステム「sheeta」を活用し、音声サブスクリプションサービス「AuDeeメンバーシップ」のポータルサイトを12月12日に公開しました。

コンテンツがTOKYO FM、システム構築・運用がドワンゴということなのだそう。

TOKYO FMは、長年培った音声コンテンツ制作のノウハウをもとに、「FM放送事業者」から「オーディオコンテンツ事業者」への進化を掲げています。

明確に掲げていらっしゃいます。AuDeeのサイトも見てみましたが、JFNのIDを引き継いでいるサービスなのですね。新サービスというよりは社をあげたリブランドに近いのかもしれません。


HYBE傘下Supertone、150種類の声でコンテンツ制作可能なAI音声サービスをリリース(Audio Marketing Insights)

150種類の声!しかも多言語対応。多いは多いで、フォントみたいに絶対使わないやつ、みたいのがね、なんてね。ユーザーが選べる形になるのならまた新しいステージということになりますが。

電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ

マガジンハウスが、世界中どこからでも購読できる雑誌アプリをリリース(マガジンハウス)

「世界中どこからでも」が何にかかっているのかと読んでみたら、

当社の電子版アプリ利用者の約4割が海外在住者であることから、グローバルな需要の高さが確認されています。

ということだったんですね。そうなんだ!4割とは驚きですが、この数字はちょっと深掘りしたいなあ。そして雑誌の単体アプリってどれぐらいあるのだろう?


電子書籍リーダーにおける AI イノベーション: 2025 年のトレンドと予測/AI Innovations in E-Readers: 2025 Trends and Predictions(Good E Reader)

テクノロジーのおかげで便利になるのは基本歓迎なんですけど、読書履歴からのレコメンドの精度を追求するのはもういいよ、ちょっと不愉快かもしれない。どちらかというとこれまでほとんどブラウズしてこなかったものとか、僕がいいレビューをアップした書籍と真逆のスタンスの本をすすめたり、そういう機能が欲しいな。ほとんど買うことはないけどお城の写真集が発売されるという情報は得たいのだ、とか。そういう、読書履歴だけではなく自分の揺らぐことなき好みとかをRPGの戦士能力属性みたいに色々入れておけた方がいいかもしれない。


ABCs: デジタル雑誌の発行部数の55%はSpotifyのようなサービスから来ている/ABCs: 55% of digital magazine circulation comes from Spotify-style services(press gazette)

英国の記事。この見出しですと、日本ではピンとこないかもしれませんね。dマガジンとかKindle読み放題のような定額費で読まれているとのことです。アラカルトや雑誌単品の定期購読は半分を切る。入ってくるお金はサブスクと購入だと相当違うでしょうから、もはや違うビジネスといえるかもしれませんね。


版元ドットコム会員社の電子書籍に関して調べてみました(版元ドットコム)

そうですか、意外と電子化率少ないという印象です。私が勤めている出版社は、ほぼ全ての書籍を電子書籍化しています。オーディオブック化については出すか出さないか一冊一冊検討しますが、そのようにテーマや客層をみて決めているのかなあ。


Books2Door、驚異的な成長期に14のプロモーションを発表/Books2Door announces 14 promotions amid period of ‘tremendous growth'(The Booksellers)

ほぼ人事情報で、少し笑ってしまいました。いやそういわれてもわかんないっすよ、と。英国のネット書店なのですね、名前の感じでは外資なのかな?サイトはこちら


Google、Appleの手数料を回避しiOS上で電子書籍の直接販売を開始/Google Unveils Direct e-Book Sales on iOS, Bypassing Apple Commission

商売的には何気に大きいことだと思いますけど。きっかけは2022年の日本きっかけらしきことも書かれていますがそうだったんですね。

出版とAI

Wiley社、学術研究における人工知能(AI)の使用等に関する調査報告書をリリース(カレントアウェアネス)

研究者への調査報告書をリリースするとともに、調査にて多くの研究者が「AIの使用に関する明確なガイドラインを求めている」との結果を受けてガイドラインの準備をするとのこと。

グローバル・各国事情

トーハン サウジアラビアにセレクトショップ 7月に1号店オープンへ(文化通信)

このニュースを見て、ある人物の存在が思い浮かんだ。彼が赴任するのではないか。早速聞いてみたら、「私ではない」「命を受けたら行く。得意分野だ。」とのお返事が。苦手分野なんてあるのかな。でも何人かには聞かれたみたいなので、思うところはみんな一緒なのね。


住友商事 集英社関連会社に出資(文化通信)

日本のアニメを中心とした映像コンテンツのグローバル展開を手がけるREMOW社に出資した

REMOW社サイトはこちら。海外へのエージェント事業以外にも、ブランド構築と発信もされているとのこと。


中国のスマホゲーム市場、日本IPの存在感に変化 新作が2割増加「ワンピース」などは類似タイトル溢れる(オタク総研)

んー、見出しとエビデンスに違和感を感じてしまいますね。ベストセラー上位から日本の作品は減っているわけですよね。。国内保護制作はコンテンツ業界全体の方針なんでしょうね。とはいえ、ゲームの裾野はまだ大きいのだとは思いますが。


BookTok の書籍: 書籍キャンペーンでコンテンツ クリエイターを活用する/Books on BookTok: using content creators in book campaigns(The Bookseller)

著者が自分で発信するのはいいと思う?どう思う?じゃあコンテンツクリエイターは?私前段が今ひとつ理解できなかったんですが、これは出版社主導でキャンペーンはって、とか有償の案件にして、ということを含めて、なのかな。単純発信なら、ねえ、とやかくいうことでも。

その他のトピックス:

アマゾン日本事業の売上高は約4.1兆円。ドルベースでは274億ドルで5.4%増【Amazonの2024年実績まとめ】

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが公表している2024年の年間平均為替レート「1ドル=150.58」(TTB)を参考に、1ドル=151円で換算すると、日本円ベースの売上高は4兆1375億5100万円となる。

とのことです。公表していない数値も多いですが、推測するためのいくつかの指標も出ていますので大掴みするために見ておくのはありだと思います。


本の要約サービスを提供するメディアドゥの子会社フライヤーが新規上場【メディア企業徹底考察 #197】(Media Innovation)

今回の上場がきっかけの記事ですが、同社の歴史やサービス、メディアドゥとの関係やこれからのビジネスについて、などわかりやすくまとまっています。いい記事。


宝島社、通販サイト「宝島チャンネル」アプリをリリース・・・出版物と限定オリジナル商品を販売(Media Innovation)

「通販サイト」なんですね。webサイトはこちら。雑誌、書籍、文庫、雑貨などが揃っています。ひょっとしてデジタルも?と思って辿ってみたらKindleなど外部リンクに飛ぶ形でした。アプリもそうなのでしょうね。雑誌も、付録の写真がフロントに出ていますが、このような「モノ」が売れ筋の中心なんでしょうね。


CPIとエージェンシーがサイバー攻撃を受け、出版社の利益が「大幅に減少」/CPI and The Agency suffer cyber attacks as publisher profits ‘hit significantly’

英国を代表する印刷会社CPIがサイバー攻撃を受けてITシステムがストップ。保護対策はとっていたにもかかわらず被害が出たとのこと。専門の外部技術チームを入れて数日で復活予定とのことですが、恐ろしいことです。社内システムはもちろんですが、各社から預かっている膨大な印刷用データもあるかと思います。今年の大河ドラマ「べらぼう」でも版木が火事で焼けてしまっててえへんだ、という話がありましたが、今はデータ。いやこれ本当に本当に大事。


【東京都稲城市】コーチャンフォー若葉台店、「ツナグ図書館」で紹介された書籍コーナーを展開!(ほんのひきだし)

リアル書店の話題は出版業界のニュースで取り上げられるので除外することが多いのですが、こちらはご紹介。読書系インフルエンサーのぶっくまさんが運営する「ツナグ図書館」とのコラボで紹介書籍の展開をスタート。他にも読書系インフルエンサーの棚を設けて紹介本を面でずらっと陳列。そしてそれを知ったインフルエンサーがお店を訪問しシェア、というサイクルで売上も上がっているとのことです。以前であれば「書評で紹介された本」の枠に近いかも。私も先週久しぶりに同店を訪問し2時間近く徘徊していました。面白いのでまだの人も久しぶりの人もぜひ。

読書メモ:

『ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方』


『生成AI時代の教養 技術と未来への21の問い』

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