AIによるコンテンツの収集と学習
まずは取り急ぎアンソロピックの各種記事につきまして。一気にご紹介です。
アンソロピック、著作権侵害で和解金2440億円 海賊版でAI学習:朝日新聞(朝日新聞)

米国のAI企業アンソロピックが、生成AIの学習に海賊版サイトの書籍を無断で利用したとして、作家らが提起した著作権侵害訴訟で、米連邦地裁が15億ドル(約2440億円)の和解金を支払うことを承認した。これはAI企業に対する著作権訴訟として初の和解であり、裁判所は700万冊の書籍をダウンロードしたことが著作権侵害にあたると認定した。
Anthropic、著作権訴訟で史上最大「2400億円」和解金支払いへ 学習利用は「フェアユース」認定(ITmedia AI+)

米AnthropicのAI」に関する著作権訴訟で、作家グループが提訴し、連邦判事が15億ドル(約2400億円)の和解金支払いを承認した。判事は学習に作家の著作を利用することはフェアユースに当たると判断したが、700万冊超の海賊版書籍の保存は権利侵害と認定。和解対象の91%以上が支払いを申請しており、原告側は「歴史的な和解」として歓迎している。
Anthropic Project Panama訴訟・15億ドル和解は、何を終わらせ、何を残したか?|Jun Ikematsu / 池松潤(note(ノート))

AI企業Anthropicと作家たちの著作権訴訟が15億ドルの和解に至り、過去の著作権問題は解決したが、今後の利用権については未解決のままとなった。和解金は過去の行為に対するもので、今後の学習や利用には新たなライセンスが必要。日本の著者や出版社は新規請求の道を失い、次の訴訟やライセンスに備える必要がある。AI時代における権利の管理が重要な課題として浮上している。
ハリー・ポッター出版社がAI企業との著作権和解で数百万ポンドを受け取る/Harry Potter publisher to receive millions in Anthropic copyright settlement(the Guardian)
ハリー・ポッターの出版社であるブルームズベリーは、AIスタートアップのAnthropicと著作権を巡る和解により、数百万ポンドの支払いを受けることになった。この和解は、著作権で保護された作品を使用してチャットボットを動かすことに関するもので、ブルームズベリーは14,087タイトルが含まれており、1タイトルあたり約3,000ドルの補償が提案されている。和解金の約10%は弁護士費用に充てられるため、ブルームズベリーと著者たちは約1900万ドルを受け取る見込みだ。
ブルームズベリー出版、アンソロピックとの和解で2000万ドルを受け取る見込み(global.morningstar.com)
ブルームズベリー出版が、人工知能企業アンソロピックとの和解により、2000万ドルを受け取る見込みである。この和解は、同社の財務状況にポジティブな影響を与えると期待されている。詳細な内容は明らかにされていないが、出版業界におけるAIの影響が注目される中、ブルームズベリーの動向は今後の業界の展開に影響を与える可能性がある。
著作権侵害和解金で出版社が大きな利益を得る/Publishers Ready for Settlement Windfall – Publishers Lunch(Publishers Lunch)
著作権侵害に関する画期的な和解により、一部の著者が利益を得る一方で、出版社が数億ドルを手にすることになると予想されています。今週初めに和解が正式に承認され、Bloomsburyが最初の公表を行い、和解に含まれる14,087タイトルから得られる利益の50%で2200万ドル以上を見込んでいると発表しました。
はい、というわけで、アンソロピックの海賊版書籍学習の裁判の和解に関するニュースを連発させていただきました。
これに関しては、結果、判決としてはその通りなんでしょうけれども、実際はどのような意味を持つのかということに関しては、やはり整理が必要だと思います。別のところでまとめてみたいと思いますので、こちらではニュースの羅列と要約にとどめます。
書きました。

AIの無断利用を終わらせる 新標準 SPUR は価格ではなく許可が争点 | DIGIDAY[日本版](DIGIDAY[日本版])

パブリッシャー利用権標準化イニシアチブ「SPUR」は、AIによるコンテンツ利用の透明性を高めることを目指している。従来のとは異なり、パブリッシャーが運営し、AIによる不透明な利用を管理するライセンス制度を導入。AP通信などのメンバーが参加し、コンテンツ利用状況を追跡する新たな標準を策定中。SPURは、パブリッシャーが共同で行動することで、AI企業との交渉力を高めることを目指している。
これまでご紹介していたクラウドフレアの話と近いところはあると思うんですけれども、クラウドフレアとは違って、こちらは出版社が主導になっているということなんですね。AI企業との相場感を握った上でのシステムになっているかということが大事だと思うんですけれども、そのあたりはちょっとわからないですね。ただ、座組としてこのような形で、会社対会社ではなくて仕組みの上で流通させるということが必要なんだということはわかります。
出版に関わるAIサービス・提携ビジネス
博報堂、AIペルソナとの対話で分析を行うソリューションを開発 Amazon実購買ログデータを活用(MarkeZine)

博報堂は、AIペルソナとの対話を通じて分析を行う新しいソリューション「Jitsulog Chat」を発表しました。このソリューションは、Amazonの実購買ログデータを活用し、特定の顧客に対してAIが生成したペルソナを用いて、より効果的なマーケティング戦略を支援します。AIを通じて得られるインサイトを活かし、顧客のニーズに応じた商品提案を行うことが可能です。
購買実績のローデータを、AI ペルソナの精度を上げるために学習させているということですよね。顧客データの数字をそのまま行動分析に使うのではなく、AI ペルソナの精度を上げるという方向性になっていくということなのかな。
ワイリー、米国のAI目標を支援するジェネシスミッションコンソーシアムに参加(publishingperspectives.com)

ワイリーは、米国政府のジェネシスミッションを支援する公私パートナーシップであるジェネシスミッションコンソーシアムに参加したことを発表しました。このミッションは、米国エネルギー省が主導する「AIによる革新と発見の新時代を切り開くための全国的な取り組み」です。
記事を読むと、これはもう出版とITというよりは、国策に一企業として、そのジャンルの代表として諮問委員会に入るみたいな、そういうレベルの話なんですかね。業界の上のレイヤーかもしれないですね。
AI時代を乗り越えるための出版業界向けワークショップ(publishingperspectives.com)

人工知能(AI)が出版業界において重要な役割を果たす中、Publishing Perspectivesは2027年初頭に「AI in the Publishing Industry: A Workshop for Leaders and Doers」というオンラインプログラムを開催します。この4週間のコースでは、AIの基本から複雑な使用法、業界への潜在的脅威まで幅広く学び、組織のガイドライン設定を支援します。
そうなんですよ。部署によってもルールや運用リスク全然違うんで、「会社のルールを決めました」ではすまないところがね、一口でいえないし説明しにくいところですね。
出版業界のAI導入が最も低いとの報告/Publishing has ‘lowest uptake of AI across creative industries’, according to new report(The Bookseller)

新たな報告によると、出版業界はクリエイティブ産業の中でAIの導入が最も低いことが示されています。この報告は、業界の専門家に向けて、最新のニュースやデータを提供することを目的としています。出版業界のAI活用の現状についての詳細は、今後の動向に注目が集まるでしょう。
記事を読む限り、出版業界はクリエイティブ産業の中で AI の利用率が 6% とダントツで低いと書かれています。ただ、これが全業務に対する利用率なのか、それとも利用している人の数なのか、あるいは他の係数で考えているのか、これだけだとよくわかりません。クリエイティブ業界全体において、AI の導入に関してあまり魅力的に思えなくなってきている、といった話もあります。そのため、出版業界がユニークにディスられているわけではないようには見えましたけど。
IGIグローバル、AIアシスタント研究ツールを発表/IGI Global Scientific Publishing launches AI Assistant Research tool to support responsible content discovery(Library Technology News Service)
IGIグローバル・サイエンティフィックは、学術図書館向けのAIアシスタント研究ツールを発表しました。信頼できる学術プラットフォーム内でのトピック検索や研究経路の構築を支援し、図書館員が使用データを管理できるように設計されています。AI技術を活用し、現代の研究者が期待する検索体験を提供しつつ、高品質な学術コンテンツに基づいた発見を促進。IGIグローバルは、設立以来、学術研究書やジャーナルの出版に注力しており、現在では11,500冊以上の書籍と200冊近くの完全オープンアクセスジャーナルを提供しています。
横断的にアクセスして管理、ということができたらいいんですけれども。そして全部利用ルールによって制御されたらいいですよね。丸善雄松堂とかキノデンなどのシステムはこういうのもあるんだったっけなあ。
AIと著作権・その他
教皇レオの演説が人間作成と認定/Man of his word: Pope Leo speeches declared human-authored by Australian AI detection tool(the Guardian)
オーストラリアの企業Proudly Humanが、教皇レオ14世の演説と著作を人間作成と認定した。レオはAIを人類最大の脅威とし、技術が少数の手に集中するリスクを警告していた。Proudly Humanは、著作のID確認や基準に従った宣言を求め、AI検出ツールを用いて評価を行った。教皇の著作は人間によって書かれたものであると確認され、特に宗教的な文脈での人間の知恵の重要性が強調された。
これも聞いちゃうと、判断の結果においては炎上する可能性があるような話なんじゃないかなと思いますね。認定されなかったり、間違った判断が下されたりするような事態を起こさないために、「絶対に失敗が許されないケース」で使うこと自体、そもそもの使い方としてどうなのだろうという疑問はあります。例えば、何か疑義(ダウト)が生じた段階で、そうしたスクリーニングにかけてみるというアプローチならありだと思うんです。
特定の演説が人間によるものかどうかを判定するようなトライアルで、このツールを使うべきではないと思うんですけどね。それによって生じるリスクなどは、計算してやっているのだろうとは思いますが。前段を全然わかっていないで的外れなこといってるだけかもですけどね。
AIを用いたメモワールの受賞と出版業界の矛盾/Confessions of an award-winning AI memoirist — the ‘slop’ debate isn’t really about good writing, and you know it | Fortune(Fortune)

著者はAIを使って書いたメモワール『How to Win One Million Dollars and $#!T Glitter』で2026年IBPAベンジャミン・フランクリン賞を受賞したが、業界の反応は複雑である。AIを利用したことを公表すると、エージェントや出版社は恐れを抱き、著者は「正直であることがリスク」と感じる。業界はAIを取り入れつつも、作家のプロセスを評価することに対して矛盾を抱えている。著者はAIをパートナーとして捉え、創作の過程での人間の役割を強調している。
アメリカの YouTube とかを見ていると、AI をフル活用して Kindle 出版をしようというノウハウが、もうエンドレスに出てきます。その一方で、「AI を使って書いた本なんか絶対に読むか」といった掲示板の意見もものすごくありますよね。これまでもこうした動きはあったと思うのですが、今問題になっているのは、やっぱりkindle全体の作品数が幾何学的に増えているということだと思うんです。商業出版が埋もれるくらい大量に出てしまって、「検索の上では平等」みたいな話になると、やっぱりその存在自体がストアの魅力を、ひいてはストアの足を引っ張ることになってきている。今やもう、そんな段階に入っているんじゃないかなと思います。コメントズレてるな。
AIが追い風でnoteの営業益4倍超 目指すは「コンテンツのAmazon」(日経クロストレンド)

コンテンツ投稿サイト「note」は、広告に依存しない課金モデルを採用し、クリエイター支援やコンテンツの流通とマネタイズを再定義してきた。2024年には黒字化を達成し、2025年11月期の決算では営業利益が前年度比4倍を超える見込み。米グーグルが日本の上場企業として初めて出資し、生成AI向けのデータ基盤としても存在感を示している。取締役CFOの鹿島幸裕氏に、noteの設計思想について聞いた。
これから、アライアンスの成果がどう出るかのレバレッジステージですかね。



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