健康についての本は、私にとって定期的に飲むサプリメントのような存在です。思い出したように、ちょこちょこと読むようにしています。
何冊も読んでいくと、それぞれ著者の専門分野が違いますし、各論に重点を置いたものもあれば、最新のエビデンスを紹介するものもあって、アプローチはさまざまです。
それでも、基本的なところはだいたい共通しています。自分の生活習慣と照らし合わせて、「そうだよな、ここは最近意識していなかったな」と思い返し、しばらく気を付けて、また忘れてしまう。その繰り返しです。
だからこそ、定期的に健康本を読んで思い出すこと自体に意味があるのだろうと思っています。
そういう意味では、本書はかなり独特なアプローチでした。
「こうすれば健康になります」というノウハウを提示するというよりも、「長年にわたる追跡調査の結果、健康でい続けた人には、こういう習慣を持つ人が多かった」という疫学研究のデータを積み重ねて示していきます。
本書のベースになっているのは、1963年から約60年にわたり約1万人を追跡した「CIRCS研究」をはじめとする大規模な疫学研究です。そのため、「この方法が絶対に健康になる」という断定ではなく、「健康寿命が長かった人たちには、このような傾向が統計的に認められた」という形で話が進んでいきます。
だからこそ、読んでいて反論のしようがありません。
「こういうデータがあります。やりますか、やりませんか。」
そう問いかけられているような感覚になるのです。
これは、なかなか厳しいものがあります。
しかも、統計的には良くないとされることを、私は今でも平気で続けています。
もう何も言えません。
本書には、「信じるか信じないか」ではなく、「長年の調査ではこういう結果でした。あとはあなた次第です」という、有無を言わせない説得力がありました。その淡々とした姿勢だからこそ、かえって迫力があり、強く印象に残る一冊でした。

10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣
大平 哲也 (著) ダイヤモンド社



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