今週のピックアップ
やはりですね、「出版とAI」ってカテゴリをしばらく前に作って該当のアンテナ立てるようにしているんですけど、海外ネタばっかりですもんね。版権や海外事情もあるので、本当に海外ネタブログみたいになっちゃってます。私が海外向いているわけではなくてトピックが国内にないというか、本当に本当に。そんな中で、Oxfordの取り組み事例紹介のセミナーが書協から流れてきたのでシェアです。参加予定です。
AIとのコンテンツ取引についてについては「一部大手出版社」とか「一部大手メディア」という表現で濁されることが多いんですけど、本当に知りたいのはその辺なんですよねえ。
デジタルブックトピックス:
オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係
Audibleの新しいロイヤリティモデル/Audible’s new royalty model brings more ways to earn(acx.com)

Audibleは新しいロイヤリティモデルを導入し、ACXクリエイターが収益を得る新たな機会を提供します。関与したすべてのタイトルに分配され、クリエイターは50%のロイヤリティ率で独占配信、または30%の非独占配信を選択できます。
既報ですが内容が更新されたようで再アップ。出版社もKDPクリエイターもナレーターも含めてエコシステムに入っているですね。
Spotifyのオーディオブック収益が1億ドルに迫る/Spotify Audiobooks+ Add-On Draws Users, Drives Revenue(PublishersWeekly.com)

Spotifyは、Audiobooks+の利用者が増加し、収益が1億ドルに達する見込みであると発表しました。オーディオブックの視聴時間は前年同期比で60%増加し、100万人がこのサービスに加入しています。また、Audiobooks+の加入者は通常の加入者の3倍の価値を持つとされています。
絶好調のスポティファイ。Audiobook+というのは基本の聴衆時間に加えて15時間追加するプランです。カナダだと15時間で1600円ぐらい?んー私は5月こそ連休あったりして薄かったですけど4月は45時間ぐらいオーディオブック聴いてるので、このプランだときついなあ。そういえば同社は版元への戻しが薄いなどともいわれていましたが最近聞かないのは改善されたのか、取りあげられなくなっただけなのかな。
SpotifyがAIオーディオブック作成ツールを発表/Spotify が ElevenLabs 連携のAIオーディオブック作成ツールを「Spotify for Authors」で発表(リベレーターズ株式会社)
Spotify、ElevenLabsのオーディオブックツールを導入/Spotify rolls out ElevenLabs audiobook tools in ‘next chapter’ of books strategy(The Bookseller)

Spotifyは、ElevenLabsの音声AI技術を活用したオーディオブック生成ツールを発表しました。このツールにより、著者は音声スタジオを持たずにプロ品質のオーディオブックを作成・配信できるようになります。
これ、前からそうじゃない?と思ったのですが、前からですね。連携が強化されたり、ElevenLabsのクリエイター向け制作機能が上がったというような感じのようです。AudibleでいうところのACXをElevenLabsが担っているというところか。ElevenLabsは他のプラットフォームに配信できるところが違いますけどね。
仕事の本を読む人がオーディオブックを使うワケ(現代ビジネス)
オーディオブックは紙や電子書籍の代わりではなく、補完的な読書手段として利用されており、物語やエッセイはオーディオブックで、実用書は紙で読むなどの組み合わせが見られます。
すごく雑にまとめると、本を読むマインドがある人はスキマを見つけて「ながら」で耳でも読もうとしている、ってことになりますかね。エンタメが目的だったら動画やポッドキャストの方がサービス精神高いから、実際は競合していないとも思います。
【 文芸評論家・三宅香帆 】オーディオブックの意外な効能を明かす〝友人から「夫婦仲の向上に役立っております」と報告〟 | TBS NEWS DIG (1ページ)(TBS NEWS DIG)

文芸評論家の三宅香帆さんが、Amazonのオーディオブックサービス「Audible」のプレス発表会に登壇し、初のAudibleオリジナル作品『没頭する力』を発表予定。彼女は、オーディオブックが読書のハードルを下げ、友人が夫婦仲の向上に役立ったと語る。
オーディブルオリジナル出すんですね。そうかあ。記事には、いちユーザーとしての個人コメントはありませんでしたが。見出しなあ。あと、会見記事とはいえ、写真が、もうちょっとねえ。
テイラー・スウィフトが声と姿の商標出願、AI対策へ/テイラー・スウィフトが「声」と「姿」を商標出願、AIディープフェイクに対抗へ(CNET Japan)

テイラー・スウィフトが自身の声や画像をAIによる悪用から守るため、商標を出願した。音声は2フレーズ、画像は「The Eras Tour」での姿が対象。AIによるディープフェイクが広がる中、著名人の商標による保護が注目されている。
そうかあ、フレーズとワンショット、みたいな形で登録するんだ。判定やものいいとかはどうなるんだろう、これもAIのジャッジということになっちゃうのかな。日本でも津田さんがTikTokを、という話がありましたが。生はまずいっしょブレンドしないで使っちゃダメだよ、みたいな話で終わらないようにはなってほしいですね。
電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ
第4回 カナダ:新しいマーケティング手法を促進、国・州の双方から出版社支援 – 新文化オンライン(新文化オンライン – 出版業界唯一の専門紙)

文化遺産省が運営する「カナダ・ブックファンド」が、デジタルマーケティング研修プログラムを含む支援を行い、2023年までに2億4800万カナダドルを支出している。
そうですねえ。予算が出るのはうれしいことですよねえ。あげあし取るわけではないんですが。
日本でも同様だが、たいてい(とくに小規模)の出版社は、「動画、画像を使った販促やCRMツール等を導入したほうがよさそうだということ自体はわかる。だが具体的に何をどうやったらいいのかがわからない。予算や人員がいくら必要なのかも見当がつかない」
こんな状態じゃお金あげても溶かされるんじゃないかと思ったりなんかしたり。いや、なんもいえないっす。
SBI「感情経済圏」構想 金融業界の変革者がメディア生態系を自ら創る理由 | Media Innovation / デジタルメディアのイノベーションを加速させる(Media Innovation)

SBIホールディングスは、メディア・エンターテインメント分野に新たに参入し、「感情経済圏」を構築する構想を発表しました。北尾吉孝会長は、経済行動における感情の重要性を強調し、エンタメ現場での体験から新たなビジネスモデルの必要性を認識しました。
パワフルですよねえ。つなげられる言葉がねっす。
世界中の読者に記事が届くように!5/27から自動での多言語対応をスタートします|note公式(note(ノート))

これにより、海外の読者にもコンテンツが届きやすくなります。クリエイターは自分のコンテンツを多言語対応にするかどうかを選べ、設定変更も可能です。
AI学習同様、デフォルトの「オン」にしています。さあ、どうなるでしょう?って、どうもならんですけどね内容がないからね。翻訳するAIリソースがもったいないのでオフにしようかなあ。
出版とAI
AAP、Vermillioと提携しAI侵害から出版業界を保護/Association of American Publishers Announces Partnership with Vermillio to Protect Publishing Industry from AI Infringement and Piracy – AAP(AAP – The Voice of American Publishing)

AAPがVermillioと提携しAI侵害と海賊行為に対処/AAP partners with Vermillio to tackle AI infringement and piracy(The Bookseller)

アメリカ出版業界の団体AAPは、AIによる著作権侵害や海賊行為に対処するため、Vermillioと提携した。
先週末から続々と業界メディアで報じられています。Vermillioという社名のシャワーをいきなり浴びました。サイトをみたらNintendoも契約してましたよ。
B&N CEOがAI生成書籍販売に関する批判に応答/B&N CEO Responds to Criticism About Selling AI-Generated Books – Publishers Lunch(Publishers Lunch)
Barnes & NobleのCEOはAI生成書籍の販売に関するオンライン批判に応じて、今週のToday Showでの発言を和らげた。ダントは、AIによって作成された書籍が明確にラベル付けされている限り、販売に問題はないと述べた。
はい。
【北米エンタメニュースまとめ番外編】生成AIと物語を作り上げるチャットボットの隆盛|libro(note(ノート))

生成AIと対話しながらキャラクターや物語を作るチャットボットサービスが若者に人気です。利用者はオリジナル設定でファンタジー物語を作成可能。
どういうのがでてくるのかなってガチャ的な面白さはわかるけど、どこまで作り込むものなんでしょうね。私は画像などはわざと脇の甘いプロンプトにして変なのが出てくるのを待ったりしますが、ガチャは回さず大体一発勝負ですけどね。あ、私の遊びと作品作りを比べちゃいかんですね。
著者ギルドがAIの作家向けベストプラクティスを更新/Authors Guild Updates AI Best Practices for Writers – The Authors Guild(The Authors Guild)

著者ギルドは、作家向けのAIに関するベストプラクティスを更新し、著者が進化する状況に対処するためのガイダンスを明確化しました。
これだけAIが調べ物や執筆に溶け込んでいる中での「使用を明記」はどこまで、とおもいますけど。でも読者のあのバッシングを見ると防衛策でもあるのか・・なんかつらいなあ。
APが新聞からの転換に伴い買収提案を発表/The AP is offering buyouts in a pivot away from newspapers(Nieman Lab)
AP(Associated Press)は、新聞からの転換を図る中で、アメリカ国内のジャーナリストに対して買収提案を行った。APの収入の10%を占める新聞事業は、過去4年間で25%減少しており、特にGannettやMcClatchyがAPのワイヤーコンテンツの配信を停止したことが影響している。
なんかね、そうですね。迷いというか、ずれというか。このような状態になると、飲まれたいとかもあるんだろうなあ。
Zoom BooksがAIスクレイピング用に書籍を販売しているとの非難に反論/Zoom Books Responds To Accusations of Selling Books For AI Scraping – Publishers Lunch(Publishers Lunch)
カナダのZoom Books社は、書店から絶版書籍を大量に購入し、AI企業に販売しているとの非難に対し、PLに声明を発表しました。同社は、スペインの書店から購入した書籍がAIのためにスクレイピングされているという主張は「明確に虚偽」であると述べています。
見出しから、zoom系のIT関係なのかなと思ったら中古書籍関係の会社ですね。確かに売り先がどこか、をこれまで以上に見られるってことはあるのかもしれないと思うと共に、やっぱり新刊だったら委員会、って話もね、国のルールとは別に商取引・権利取引としてあると思うですよ。
生成AIサービスによる著作権侵害の現状と権利保護に関する声明 | 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA))

CODAは、生成AIサービスが著作権を侵害している現状を指摘し、事業者に対して著作物の権利を尊重するよう求めています。特に、生成物が既存の著作物に酷似している場合、著作権侵害が発生する可能性が高いと警告しています。
生成されたものが著作権を侵害していないかチェックするAIが走って、自分の持ち物が侵害されていないかチェックするAIが走って、走っている間にも生成されるコンテンツが大量に発生して、続く。みたいな。いや先日フロー作ってて無限ループが発生してきゃーとなったんですがこれが常態になる感じですか。
グローバル・各国事情
韓国出版市場の変化とトレンド/ソウルの出版業界で、いま何が起きている?ーー韓国出版市場、2026年のリアル|フォレスト出版(note(ノート))

韓国の出版市場は変化しており、特に版権の売買において日本からの需要が減少しています。若者の仏教への関心が高まり、投資関連書籍の需要が急増する一方で、リーダーシップやマネジメント本は売れなくなっています。
このまとめ、確かにウソではないんですけど端的に過ぎていてなんだか。記事はフォレスト出版寺崎さんの韓国出張報告。アポイントのご苦労が書かれていますが、これに関していえばソウルのフェアとの時期の近さもあったんですかねえ。
上海でのライセンスエキスポにジャパン・ブース設置/LEC(Shanghai)2026 ジャパン・ブース | イベント情報 – ジェトロ(jetro.go.jp)

中国・上海で「LICENSING EXPO CHINA(Shanghai)2026」が開催されます。この展示会は中国大陸のライセンスビジネスに特化しており、今年で第9回目となります。ジェトロは、日本企業の海外販路開拓のために「ジャパン・ブース」を設置し、出展を希望する企業を募集しています。
キーウで国際書籍アーセナル祭が開催/Amid the Recent Destruction in Kyiv, International Book Arsenal Festival Begins – Publishing Perspectives(Publishing Perspectives)

2026年の国際書籍アーセナル祭が、最近のロシアの攻撃を受けたキーウで開催される。テーマは「自由を運ぶ」で、240のイベントと150以上の参加者が集まる。攻撃により多くの文化機関が被害を受けたが、ウクライナの作家たちはコミュニティを維持し、国際的な対話を続けることの重要性を訴えている。
実現するだけでもすごいことですね。なんか・・そうしたら逆に国際イベントを絶え間なく開催するというような外交はありなんじゃないかなと思ったりしたけど、リスクをおもちゃにするような発想はいかんですね。。
ワルシャワ国際ブックフェア2026年版が開催へ/A Growing Warsaw International Book Fair Readies Its 2026 Edition – Publishing Perspectives(Publishing Perspectives)

ワルシャワ国際ブックフェアが5月28日から31日まで開催され、1,500以上の書籍関連イベントが行われる。アラブ首長国連邦のシャルジャブック庁が名誉ゲスト。初日の2日間は業界関係者向け、残りの2日間は一般来場者向けとなる。ポーランドとUAEの作家による共同イベントも予定されており、文学や詩に関する議論が行われる。
飛行機大丈夫なのかなあ。
和書が世界で担う役割 – 新文化オンライン(新文化オンライン – 出版業界唯一の専門紙)

柚木麻子の『BUTTER』や雨穴の『変な絵』が世界的にヒットし、神保町を訪れる外国人観光客も増加中。日本のコミックは文化の入口として重要だが、興味は日本の暮らしや美意識、食、旅、言葉へと広がっている。
どうしたのでしょう?
翻訳プロジェクトの拡大とアラビア文学の賞/’Politically Urgent, Humanely Thought-provoking:’ Furthering Translation Projects Around the World – Publishing Perspectives(Publishing Perspectives)

英語のPENが主催するPEN Presentsは、翻訳文学の拡大を目指す助成プログラムで、南アジアの文学翻訳プロジェクトと提携しています。
南アジアの翻訳の普及を目的としてサンプル翻訳に補助金を使うというお話です。確かに自然に任せると、見向きもされていないエリアとか言語とか、ありますものね。自分は売り目線ばかりが強いのではっとしました。
その他のトピックス:
「本好き」を増やす―AI時代に効くシンプルな答え|Jun Ikematsu / 池松潤(note(ノート))

AIが要約や情報抽出を担うことで、本を読む体験の価値が高まり、読者との関係を深めるための「前後の体験」を設計することで本好きは増やせる。本を読まない人々に対して、読書の魅力を伝えるための新たなアプローチが必要。
上のまとめはまとめすぎているので流してください。読書体験そのもの・AIの存在・書店の存在・音楽業界からの学び、などたくさんの要素に言及されています。読書体験の熱量といえば、今は三宅香帆さんやけんごさんが光源になっていますね。これは大きい。
熱量の話と共に「当たり前の生活習慣」というのもありますよね。音楽を聞こうと思って聞くとか、あまり意識してないと思うんですけど(私はそうです)、手の届くところに本があってふと開いてるみたいな普通な感じを醸造するのは、本棚のある風景だったりするのかなあ、とか。
本をたくさん出している人は「売れている人」ではないんです|木暮太一| 195万部著者、『職場の言語化コミュケーション』第一人者(note(ノート))

多くの人が本を出し続ける著者は売れていると考えるが、実際には売れていない著者が多数存在する。出版社は、著者が次の本を出せるかどうかを重視し、売上よりもスケジュール通りに原稿を出せることが重要視される。
ベストセラー著者であり、出版社もマネージして著者育成(でいいのでしょうか?)もされている小暮さんの投稿です。こういう側面はあると思います。ありますよね。でも1割でなんとかなっていたものがならなくなってきている岐路に立っている。いやもう岐路は越えているかとも思います。全然自分ごとで思います。
今日からできる「積ん読」解消!Gemini と始める、深くて楽しい読書術|Gemini – Google の AI(note)

GoogleのAI「Gemini」を活用して、読書を楽しむ新しい方法を紹介します。読書の目標を立てたものの進まない方に向けて、1日5分から始められる読書術や、Geminiによる選書、予習読書、読書記録の方法を提案。
お買い物エージェント的なものから、作品紹介、内容把握のアシスト、ログ作り、と色々サポートいただけるとのことです。そうですね、AIエージェントがバンバンおまかせで買ってくれたらいいなと思います。どうにかなりませんかね。
航空会社が無料で本を配布する可能性/BookMarketingBuzzBlog: Which Airline Will Give Out Free Books?(bookmarketingbuzzblog.blogspot.com)

航空会社が無料で本を配布するアイデア。新聞や雑誌が配られていましたが、今後は本を配ることで、顧客サービスやブランド向上に寄与する可能性。出版社は余剰在庫を利用することでコストを削減でき、航空会社は無料の宣伝効果を得られるとされています。
新聞雑誌も、コロナでやめちゃったのかな、少なくともプッシュはしてくれないことが多いかもしれませんね。オーディオブックや電子書籍は手元の端末にあったりしますがラインナップが充実、というのはお目にかかったことはないかなあ。現物の本は、やはり選択肢あっての価値だと思いますけどねえ。肉か魚か、とはいかないですよね。
読書メモ:
『三千円の使いかた』
原田 ひ香 (著) 中央公論新社
懲りない日本史
伊藤賀一 (著) SBクリエイティブ
『名前のない仕事 ── UUUМで得た全知見』
鎌田和樹 (著)
『noteで年収1000万円』
Sai (著) フォレスト出版
*この記事は私が業務上のチェック用にRSSで集めている記事の中からピックアップして、週いちコメントつけているものです。コメントは業務とは関係ございません。







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