『noteで年収1000万円』というタイトルを見ると、「noteで稼ぐ方法」を学ぶために手に取ったと思われるかもしれません。しかし、最初にお断りしておくと、私はnoteで年収1000万円を稼ぎたいと思ってこの本を読んだわけではありません。
私自身、業界ニュースのカテゴリでもたびたび取り上げていますが、現在はAIとコンテンツをつなぐハブとしてのnoteに非常に注目しています。また、コンテンツ販売のプラットフォームとしても存在感を増しており、その動向を継続的に追っています。
そんな中で、「noteで稼ぐ」というテーマの本が次々と出版されるようになったことが気になっていました。noteの仕組み自体に大きなルール変更やインターフェースの刷新があった印象はありません。英語で読める、というのは数日前にありましたけどね。それにもかかわらず、ブログアフィリエイトではなく、note上でのコンテンツ販売によって収益を上げることをテーマにした本が連発するということは、それだけ市場として成熟し、お金が流れる場所として認知されてきた証拠ではないかと思ったのです。
その温度感も知りたくて、本書を手に取りました。
著者のSaiさんは、カフェ巡りを趣味としており、その体験をnoteに書き続けたことから活動を広げ、現在では大きな収入を得るまでになった方です。
ここでまず意表を突かれました。私は専門知識を販売するタイプの成功事例を想像していたからです。例えばビジネス、テクノロジー、投資、あるいはスピリチュアルなど、何らかの専門領域で情報発信をしている人が収益化する話なら理解しやすい。しかし、「カフェ巡り」というテーマから有料コンテンツが成立しているという事実には「え?」って思いましたよ。
「カフェ巡りの記録で、なぜお金が生まれるのか」
そちらの方が気になりますよね。本書は単なるnote攻略本ではありませんでした。
もちろん、運営やファンコミュニティづくりといった王道の内容も紹介されています。しかし興味深かったのは、著者自身の試行錯誤が具体的に語られている点です。
例えば有料会員制度についても、単に有料記事を読めるようにするだけではなく、それ以外の部分にも付加価値を設計しています。また、さまざまなSNSやコミュニティ施策を組み合わせながら読者との接点を増やしていく考え方は、なるほどねえと参考になりました。カフェ巡りといっても東京じゃないんですよ。すごいなあ〜。
こうした工夫を見ていると、著者は単なる情報発信者というよりも、優れたアイデアマンでありコミュニティデザイナーという感じですよねえ。
「noteで稼ぐ方法」というよりも、「なぜnoteという場で価値が生まれるのか」を理解するための本として読むと、とても面白いと思います。私にとっては、noteという市場の現在地が得られる1冊でした。
『noteで年収1000万円』
Sai (著) フォレスト出版



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