祝、本屋大賞ということで聞き始めました。エントリーされて話題になっていたのは知っていたので、予約をしていました。そして、本屋大賞受賞というニュースを見て、ちょうど配信が開始されたタイミングで読み始めました。
予備知識はなく、著者の朝井リョウさんの本を読むのも初めてです。日本経済新聞社から出されていることもあり、勝手に先入観を持っていました。「イン・ザ・メガチャーチ」とあるのに、なぜかメガバンクか何かと勘違いしてしまいました。そんなわけはないのですが、どこかビジネス寄りの小説だと思い込んでいたのです。
そのため、読み始めてからの違和感は相当なものでした。
若い世代の流行やトレンドについては情報として知ってはいるものの、なかなか共感したり相乗りしたりすることは少なくなってきましたね。やるやらない以前に、わからない感じ。その中でも大きなものが「推し活」でした。
ファンがお金と時間を使うこと自体は昔からありましたが、「推し活」が語られるときには、何か特別な要素があるような雰囲気を感じます。それは、私が長い間、noteといってもブログでしょう?などと引っかかり続けていた感覚とどこか似ている虎と翼でいうところの「はて?」です。熱量はともかく、定義を教えてくれ、お願いだ。ファン活動とはちがうのか、と。
私が長らく抱えていたこの違和感が、これほどまでに物語として語られ、心の内面の動きまたは会話としてありありと解説していただけるとはびっくり。物語として提示され、その意味が成長していき、日本のどこでも起こり得るのではないかと思わせるほどリアルに進んでいく展開に、恐ろしさを覚えながら読み進めました。
これだけ緻密に描かれていると、議論の余地がないほど、しっかりと物語の中に連れて行かれる感覚があります。
これはオーディオブックで読んだからということもありますが、終わりのタイミングを予想できないまま物語が終了し、いきなり襲ってきた喪失感に呆然とした、というのが読後の率直な感想です。これはこたえた。
『イン・ザ・メガチャーチ 』
朝井リョウ (著) 日経BP



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