すごく売れているなあ、いつまで売れるんだろう……と、ずっとランキングをチェックしていたらずっと売れていました。すごいなぁと思いながら、ランキングを眺めていたりもしました。
タイトルもテクニカルですよね。「世界の一流は休日に何をしているのか」――これはセレブチェック的な好奇心をくすぐるトピック。でも、「年収が上がる週末の過ごし方」と来る。違う角度からグイッと引っ張っていかれる感覚です。最初はバケーション的な話かと思いきや、それが「年収を上げること」につながっているという破綻がある。眺めながらも、深いいタイトルだなぁと思った記憶があります。
そんな本書のこともなんとなく忘れていたのですが、オーディオブックで発売されたと知り、Audibleでも今1位になっているのを見かけて、ポチっとしてしまいました。そして気づいたのですが、1.7倍速で聞くと1時間半くらいで終わってしまうんですね。このライトさも、「オフに読む本」としてちょうどいい軽さなのかもしれません。
著者の越川さんの本はこれまでも何冊か読んでいますし、ご紹介したこともあると思います。特徴は、仕事ができる人の共通点を数値化し、階層分けして、結果を出している人のやり方を再現するというアプローチ。いわゆるマニュアル本とは少し違うアプローチで、その明快さが受けている理由だと思います。
本書に関しては、そこまで数値やエビデンスを明示しているわけではありませんが、著者自身が米国Microsoftのエグゼクティブたちと直接関わり、見聞きしたこと、目の当たりにしたことが書かれているという点で、他の人には書けないユニークな内容になっています。
ビル・ゲイツやスティーブ・バルマーのオフの過ごし方を横で見た経験がある人なんて、日本人では相当限られているはずです。紹介されているエピソードからも、「オン」と「オフ」では本当に違うのだなと感じました。
本書では「ワークライフバランス」ではなく、「ワークライフハーモニー」という言葉が提唱されています。休日を最高にするために平日頑張るという考え方。そのための仕事へのモチベーションの持ち方や、燃え尽きないためのバランスの取り方――とても明快で納得感のあるものでした。
じゃあ自分ができているか、できていません。私たちの世代にとっては、週刊少年ジャンプや部活の過剰さがが染み付いてしまって、ようやく剥がれてきた頃には、もう疲れが抜けにくい年齢になっていた……なんてところもあるのです。嘘です、冗談ですが、引っ張ったなあとは思います。
それでも、今はぼちぼち楽しくやれているとも思います。趣味はなんですかといわれたら『ポケモンGO』です。ここだけはこのままではよろしくないとは認識しています。擦り切れ、カサカサにはならないように、努めていきたいと思います。
本書はオーディブル版で読みました。
『世界の一流は「休日」に何をしているのか 年収が上がる週末の過ごし方]』
越川 慎司 (著),クロスメディア・パブリッシング


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