メンタル不調による休職という言葉は、いまでは日常的に聞かれるようになりました。私が会社に入社した約30年前と比べると、かなり増えた印象があります。
私自身は大きな病気や怪我で長期離脱した経験はありませんが、病気や怪我でしたら医学情報や家族・知人の話を通じて、復帰までの流れはある程度想像がつきます。ただし、メンタルの不調については、当時は話題にすること自体がタブー視される傾向があったためもあるでしょう、どんな状態なのかイメージするのが難しく、今でもどこか距離を感じてしまいます。体の不調とは違い、目に見えない分、理解しづらさやもどかしさを強く感じます。
この本のメインターゲットは、まさにそのメンタル不調を抱えた「本人」です。ただ、読んでみると、周囲の人、家族や同僚、上司といった人たちが知っておいたほうがいい内容がでした。タブーを理由に思考停止では済まされないテーマであり、関わる立場の人も理解しておく必要があると実感しました。
本書では、本人が自分の状態をどう見極めるか、ダメージの原因、診断の意味、薬のこと、仕事の調整など、実際的なテーマが網羅されています。何よりも具体的なケーススタディが豊富で、想像しやすい構成になっていました。
また、産業医と主治医の役割やその連携についてなど、そういう感じなんだ、というところにも触れられており、やっぱり知っておいた方がいい知識でしたね。
本書はオーディブル版で読みました
未来のキャリアを守る休職と復職の教科書
武神健之 (著) ディスカヴァー・トゥエンティワン


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