デジタル・海外・AI出版ニュースまとめ:2025/07/19

デジタル書籍・AI・海外版権

今週のピックアップ

『SLAM DUNK(スラムダンク)』のKindle本コミック1~3巻が27%ポイント還元で販売中!電子書籍化したばかりの名作漫画をお得に買い揃えるチャンス!(電ホビ)

1~3巻が27%ポイント還元で販売中!

最初の3冊だけとはいえ、発売まもないところで動きましたねえ。許諾も毎回通すのだろうなあ。コミックの、長い巻ものの電子価格施策のセオリーってもう出来上がっているんでしょうね。あとはストアならではの仕組みとかもあるかもしれないですけど。私スラムダンクも読んだことないし、なんならドラゴンボールも最初の天下一武道会ぐらいまでしか読んでないし。ワンピースも子供が読んでるのを10巻ぐらいまでで離脱しちゃったし、エッセンシャルなやつ結構読んでないんですよね。。いつか派手な施策が出たら大人の力で一気にいくか、果たしてその時は来るのか。

デジタルブックトピックス:

オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係

(エアメール)ソウル 人気俳優がオーディオブック(朝日新聞)

すごい見出しですね。シュールさも感じられます。華麗なるピボット。


電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ

Spotifyオーディオブックにリスナー向けの新しいサブスクリプションプランが登場/Spotify Audiobooks now has new subscription tiers for listeners(Good E Reader)

プレミアム会員は月に15時間オーディオブックが聴き放題でしたが、さらに15時間聴けるプランを開始するとのことです。

アイルランドとカナダでの試験運用が成功したことを受けて、英国、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、ドイツ、オーストリア、スイス、リヒテンシュタインの Spotify Premium ユーザーは、より柔軟性の高い 2 つの新しいアドオン サブスクリプションも利用できるようになります。

そして、米国も予定しているそうです。求める声が、あったんでしょうね。


紀伊國屋書店とクラリベイト 世界最大級の電子書籍・学術文献データベースの日本販売総代理店契約を締結(紀伊国屋書店)

おっと、拾いそこねていました。大学とのパイプがあってこその提携ですね。このような学術文献データベースのプレイヤーってどうなってるんでしょう。四季報の業界地図に載ってるかな。それこそAIに関しても主戦場でしょうし。

出版社は電子書籍の価格を下げることを余儀なくされるかもしれない/Publishers might be forced to lower the cost of ebooks(Good E Reader)

米国の、図書館向け価格の話でございます。このような議題はこれまでも出ていましたね。そもそも紙の本の価格設定よりも高い上に、借りられた数や一定の期限が来ると更新しなければいけない現状の条件に、図書館が反発しているとのニュースです。悩ましいですが、私は希望価格よりも安価なジャンル別セットを作ればいいんじゃないかなと思っています。いわゆるていばんとかオーダーベストみたいな形式です。版元には、選書されたらどかっと採用されるんで掛けはこれぐらいディスカウントですって握っておけばいい。図書館は定番商品はセットで、独自選書はアラカルトで。って使い分けるの。いかがでしょう?そんな簡単じゃないのかなあ。プレーヤー多いしなあ。


少年ジャンプアプリでは1日の制限が撤廃され、登録者は好きなだけ読むことができるようになった。/Shonen Jump readers can now read unlimited daily chapters(Good E Reader)

これまでの1日100話も相当なボリュームだと思うんですけど、読んでなるほど、海賊版対策の目的があるのですね。


AI の台頭でパブリッシャーの売上構成に変化 2025年はデジタル依存から脱却の兆し(DIGIDAY)

課金壁の前で佇んでいるのですが、デジタルか既存チャネルかを媒体側で戦略的にコントロールできるものなの?という気はしました。AIでトラフィックの供給が減るというだけではないのかな。


世界初!子ども自身が「総ルビ」で紹介文を読んで絵本を選べるサービスが実現。「絵本ナビプレミアム」に「ルビフルボタン」登場。(一般財団法人ルビ財団)

ルビはルビ財団がふっているのでしょうか。出版社は許諾とかチェックとかをしているのでしょうか。アクセシビリティの目的で委託するような形なのかな。このあたりの見識が全くございませんで。

出版とAI

情報は奪われるが、利益にはならない  AI スクレイピングの誤解と実態(DIGIDAY)

モデル的に学習用は対価も発生させやすいですが、RAGはちょっとイメージしにくいですよね。GPT4からですか?AIが検索をしてくれるようになって飛躍的に調べ物が便利になりました。さらにDeep Researchみたいな、人力でやったらとてつもない時間がかかる作業もこなしてくれて、それがRAGのスクレイピングのおかげと聞くと、ユーザー的にはもうありがたくて手放せませんですわ。という見解がありますので、時が解決してくれるとは思います。雑。


定額契約から成果報酬型へ  AI に対抗するパブリッシャーの新たな収益モデル(DIGIDAY)

ほら、いってるそばから。でも複雑そうですね。またジャスラック的なものが求められる、それはないか。。クロールは国境を軽々超えるので、その辺どうすんの、などもありますよね。


シュプリンガー・ネイチャー、機械学習に関する書籍を撤回。引用元が「存在しない参考文献」だったため(The Bookseller)

やっちまった案件ですね。AIに関する書籍だったとのことでなんとも皮肉ですが。これだけ日々頼もしく正確になっているAIさんですが、あるんですよね参照元切れ。私もこのブログのネタ集めに毎日決まった時間にメールで更新レポートをしていただいているんですが、「おっ」っていう見出しをひろってくれて、参照元をクリックするとそのプラットフォームのトップページとか404にいってしまうことが結構あります。いつも注意するんですが、リンク先が見れないんだよね、などと言い訳してくるんですよね。
ニュースに戻りますと、出版社からパッケージとして出されている書籍はこういうことはありませんよ。それが出版社の役割だからね。といえなきゃですね。本当に。


アドテクの次は生成AI  Google の独禁法リスクでパブリッシャーが規制要請(DIGIDAY)

なんか今週はDIGIDAY祭りですね。日本語でも複数記事になっていますね。Google overview困ります、の話はたくさん書かれています。


AIと労働力:PwCの2025年グローバルAIジョブバロメーターによる出版への影響/AI and the Workforce: Implications for Publishing from PwC’s 2025 Global AI Jobs Barometer(tnps)

出版社に向けた、AI時代のお仕事についてのPwCレポート。基本やさしいトーンで、まあそうですね。でもやれますかね。打ち壊し運動になるか、打ち壊されるか。ラッダイト運動って受験以来の語彙だなあ。

グローバル・各国事情

海外で『BUTTER』が大ブームに! 柚木麻子さんに聞く、世界の中の東アジア文学

カジュアルで面白いインタビュー。アジア文学が欧米他でどのように読まれ、受け止めてられているのか、そうだったんか。作品の打ち出し方もそうだったんでしょうか。日本でもヒットしている韓国のエッセイなどは著者の半生とか韓国の文化を前に出している本も多いですけど。とにかく今、欧米諸国から日本の文学作品への版権リクエストが殺到している現象が起きていて、そのきっかけの大きな一つが本書なのは間違いないですね。あと『変な家』。
ビッグタイトルはいいんですけどね、少額のランニングロイヤリティなどは扱いも大変なので海外送金なども簡素にして欲しいんだなあ。

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講談社がアメリカでヤングマガジンを創刊/ is launching Young Magazine in the United States(Good E Reader)

オリジナルのマンガ連載ラインナップということで、大きいチャレンジですね。紙もwebも。米紀伊國屋書店では全店で販売とのこと。日本のアマゾンで「Young Magazine」って検索したら普通にヤンマガが並んで、グラビア表紙がバーっと出てきてたじろぎましたが、amazon.comで同じく検索したら、ローリングストーン誌の「Neil Young」特集号が出てきました。なぜだ。Like a Hurricaneではなく Gold Lushになるといいですねえ。


強力なデジタル変革、出版における最新技術の応用(Vietnum.vn)

国営出版社の発表。そういえばベトナムは民営企業としかお会いしたことはないんですけど、中国のように国営出版社がISBNを卸すような仕組みなのかなあ?


従来の書籍翻訳はAIに取って代わられています/Traditional Book Translations are being replaced by AI

英語で出された本を各国語で出版する時にネックとなるのが翻訳コスト。小説一冊あたり100万円以上かかるわけですが、これをAIを使って一冊15,000円ぐらいでやりますよ、品質も人間が翻訳したのと違和感ないという数字が出てますよ。というサービスが登場したとのこと。Globescribe というサービスです。まだ5ヶ国語ぐらいの対応でその中に日本語は入っていませんが。出版社、エージェント、作家、翻訳家で睨み合いながらも、できそうなところからそっと、始まっていくんだろうなあ。そして、このコストであるならデジタルコンテンツであるところの電子書籍やオーディオブックなら、すぐに出せちゃう。


タイの作家・出版社と語る旅へ:【タイ現地ツアー】ブックフェア担当者公認!タイ文学の翻訳者と行く、ブックフェア+作家と書店と出版社の話を聞こう!ツアー in バンコク(2025年10月10–12日)

すごいー。

その他のトピックス:

「楽天ブックス」、夏休みシーズンに向けて「小学生の読書感想文に関する調査」結果を発表(楽天グループ)

読書感想文の宿題が出るのは4割とのことです。読書感想文を書かせることへの賛否はありますけど、どうなんでしょね。そもそもは読ませることと、感想を書かせることどっちにウェイトなんだろう。後者だったらYouTuberの動画の感想でもいいんじゃないかと思いますが。私は書くのは昔から好きでしたが、とにかく宿題というもの全般が嫌いだったので読書感想文は「悪」でした。

読書メモ:


めちゃめちゃ面白かった。おすすめです。


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