読書メモ:言語化力 言葉にできれば人生は変わる

オーディオブック読書メモ

三浦さんの書籍を読むのは今回が初めてでした。売れているので気にはなっていたのですが、なんとなくそのままスルーしてしまい、オーディオブックで“第二の出会い”を果たした、という感じです。

三浦さんは、たしかコロナの頃だったでしょうか、よくセミナーに登壇されていた記憶があります。セミナーやイベントの告知画像でよく見かけて、「この人、あちこちで見るけど何者なんだろう」と思いながらも、特に調べるわけでもなく、「うーん、NewsPicks系の人なのかな」といういいかげんで曖昧な印象だけを持ってそのままになっていました。

ところが本書を読み、著者紹介を目にして驚きました。広告やPRの分野で数々の大きな賞を受賞し、クライアントも名だたる企業ばかり。かなりお若い頃からこれだけの実績を出すとは、まさにただ者ではないですね。

本書のテーマは「言語化力」。まさにその言葉ひとつで頭角を現し、言語からクリエイティブを立ち上げ、人々の心を動かしてきた三浦さんが、自らの経験と実践を通して語る内容は、「言語化力一つ引っさげて、ここまでやってこられる」ということを実証するような一冊です。

内容はさすがに言語化力の本を書くだけの方だけあって、言葉の力に満ちています。仕事でもコミュニケーションでも誰にでも使える。そして使いたくなる。そんな強いメッセージが込められており、エピソードや豊富なたとえを通して、イメージしやすく、歯切れの良い、それでいて細やかな配慮に満ちた構成となっています。

言語化力とは少し離れる話かもしれませんが、著者が若い頃から「考えることを続けてきた人なんだな」と感じた印象的なエピソードがあったので、簡単に紹介します。

三浦さんは中学・高校と柔道部に所属していたそうです。進学校だったこともあり、柔道部自体は強豪というわけではなかったようですが、「どうやったら勝てるか」を真剣に考えたとのこと。柔道エリートたちは時間と根性で磨いた技で勝負してくる。そこに正面からぶつかっても勝てるはずがない。でも彼らの知らない技でならワンチャンあるかもしれない——そんな発想から、あらゆる格闘技を研究し、柔道の試合で使えないか試してみたそうです。

荒唐無稽に聞こえるかもしれません。柔道の試合でブレーンバスラーで一本取った東三四郎の実写版じゃないですか。「自分より明らかに強い相手にどう勝つか」ということに真剣に向き合って導き出した突破口だったのだと思います。この「当たり前に勝てない相手に対して、どうにか勝つ方法を模索する」というマインドと、それを形にしようとする頭脳が垣間見える、非常に面白いエピソードでしたので、ご紹介させていただきました。

著:三浦 崇宏
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『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』
三浦崇宏著 SBクリエイティブ

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