読書メモ:世界最高の人生哲学 老子

オーディオブック読書メモ

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』は面白かったですね。東洋思想はゆるくて深くて逆にとっつきにくいところがありましたが、そのあたりを軽妙にエンタメに仕立てたのはなかなかの仕事でした。

そういう意味では老子×守屋先生はがっぷりよつの王道です。

本書は「老子」の81章あるうちの40章からポイントを抜粋。書き下し文と、解説を加えたものです。老子の言葉の背景と意味について自己啓発的なアプローチで丁寧に解説されます。自己啓発的にという表現をしたのは、学術的な解釈というよりは、現代を生きる私たちにとってどう受け止め理解したらいいかという視点で書かれているという意味です。老荘思想というとハイパーシュールで浮世離れしているというイメージがありますが、ギスギスした世知辛い今、道はこういうことだよ周りに潰されないで道をみようよ、と雑すぎますがしばし文字通り浮世をちょっと離れてみられるひとときになりました。それにしても書き下し文をオーディオブックで耳だけで聞くと、言葉がわからないことわからないこと。私だけかもしれませんが。これは最初の、Kindleでサンプルで読めるところまででも見ながら聞いたほうが入りやすいと思います。目次を先に焼き付けておくのもいいかもしれません。

ひとつ言葉をご紹介。老子を象徴する言葉に「上善如水(じょうぜんはみずのごとし)」がありますが、これは最も理想的な生き方は水のようであるという意味なんだそうです。水は器の形に合わせて自在に形を変え、相手に逆らうことなく調和します。​また、生命に不可欠な存在でありながら、自らを誇示せず、低い場所に身を置くその姿勢は、謙虚さの象徴とのことです。ああ、いいですよね。染み込みますね、水の如しに。

著:守屋 洋
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『世界最高の人生哲学 老子』 守屋 洋 著 SBクリエイティブ

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