小林正観さんデビュー。
……といっても、小林正観さんのデビュー作ではなく、私が小林正観さんの本を初めて読んだという意味です。
社会人になったばかりの頃、私は自己啓発書をたくさん読んでいました。
ただ、「自己啓発セミナー」という言葉に対してあまりよくないイメージを持っていて、自己啓発書というジャンル自体をどこか斜に構えて見ていたところがありました。
今思うと、かなり偏見にまみれていたのだなと気づきます。
そんな私が自己啓発書を読むようになったのには、いくつか理由があります。
一つは、売れている本が多く、「どんなことが書かれているのだろう?」と気になったこと。
もう一つは、その頃「ブログ」というものが登場し、読書ログを興味本位でつけはじめたことです。
自己啓発書はライトなものが多く、読みやすく、書評も書きやすかったので、図書館で借りたものも含めてかなりの数を読みました。
今振り返ると、これはとても良い研究になったし、良い経験だったと思います。
自己啓発書の「型」が自分の中にインストールされたこと、著者たちの知識をたくさん得られたこと。
「この人は誰の影響を受けているな」「この考え方は誰々の理論を発展させたものなんだな」といったことが自然にわかるようになりました。
また、自己啓発書のテーマにも「お金」「幸せ」「時間」などの大テーマがあり、そこからさらにジャンルが枝分かれしていることにも気づくことができました。
さて、小林正観さん。
自己啓発界の大物であり、ベストセラーヒットメーカーという存在は、もちろん知っていました。
ただ、なぜかこれまで読んだことがなかった。
どちらかというとスピリチュアル寄りに見えていたこともあって、無意識に避けていたのかもしれません。
今となっては、なぜ避けていたのかもよく思い出せませんが……。
そんなとき、オーディオブックで小林正観さんの『ありがとうの奇跡』を見つけて、「おっ」と思い、ポチりました。
『ありがとうの奇跡』は、小林正観さんが各地で行った講演やエピソードをもとにまとめられた一冊です。
この本では、**「ありがとうを1日1,000回、100万回言うことで人生が変わる」**という、非常にシンプルで力強いメッセージが語られています。
特別な理屈やテクニックを並べ立てるわけではなく、体験談とエピソード、そして問答無用のエネルギーのようなものが詰まっています。
まさに「理屈ではない世界」の話。
そこには小林正観さん独特の、柔らかくも説得力のある語り口と、温かなカリスマ性を感じました。
もし当時の私がこの本を読んでいたら、正直「ちょっと強いな」と感じていたかもしれません。
でも今の私は、静かに「そうだよね」と納得しながら読むことができました。
表現に時代を感じる部分もありますが、「やること」はとてもシンプルです。
ありがとうを言う。
それだけです。
ありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとう。
少し稼がせていただきました。
『ありがとうの奇跡』 小林正観 著
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