読書メモ:わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) 

オーディオブック読書メモ

ああ、いいタイトルですよね「わかったつもり」。こういうシンプルなの大好きです。10年前の本だったんだ〜。

前回「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を読んでAIが文章を理解することがいかに高度なことか、また人間のように解釈することの限界についてを学びました。そして今の子供たちが教科書の内容を読み取れていないことへの警鐘にぶるっとしました。

その流れで本書です。次にご紹介する本と合わせて「スキーマ三部作」とでも呼びたい。スキーマのシャワーを浴びましたよ。スキーマとは過去の経験や知識に基づいて頭の中にできあがった「理解の枠組み」や「知識のテンプレート」のことで、これはこういうもんだよね、という「わかってること」みたいな認識でいいんだと思いますが、これがいかに大きい存在なのかが本書他を通じて理解できます。

お題になる文章があり、まずはそれを読むわけです。それらの文は知らない言葉があるわけでもなく、トリッキーな感じでもなく、普通に「わかる」文なのです。というかわかるも何もそのまんまでしょう、とさらっと読みます。わからない部分はなかったよな、と。そこから、問いが始まるのです。どうでしたか?これはなんだったでしょうか?わからないことがなかったはずの文章が俄然あやしくなってくるのです。

文字通りわかった、という自分の手応えと、書かれていることを正しく理解しているということが一緒ではない、つまり「わかったつもり」な状態になる「型」を例文によって紹介。わかったと思ってしまうことの危うさを教えてくれます。こわいっす。

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)
西林 克彦 (著)

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