読書メモ:AI vs. 教科書が読めない子どもたち

オーディオブック読書メモ

そうそうこの本読めていなかったよなとポチり。カタログを見ると、2018年の発売なんですね。ここから先は生成AIに私の文体に似せて書いてもらった。自分の感想をプロンプトにしっかり目に入れるとかなりイメージに近い文が出てきますよ。文体はともかく、僕はこんな構造的な作文できませんけどね。3回書き直したものを無修正で。作文は達者ですけど、問題に回答するというのはまた別の能力なんでしょうね。


この本のポイントは、AIが大学の入試問題(特に英語や国語)を解くプロセスを分析することで、「人間の読解力とは何か?」を浮き彫りにしたこと。読解力って、単に「文章を読む力」じゃなく、いくつもの要素が組み合わさって成立しているものだと気づかされる。

本書では、読解力をいくつかの能力に分けて説明している。
たとえば:

  • 語彙力:単語の意味を知っているか
  • 文法理解:文の構造を正しく把握できるか
  • 論理的思考:文と文のつながりを理解できるか
  • 推論力:文章に書かれていない情報を補えるか
  • 背景知識の活用:文脈を正しく解釈するための知識があるか

こうやって分解してみると、私たちは普段、無意識にこれらのプロセスを総動員して文章を読んでいる。それなのに、「教科書の文章を正確に理解できない学生が多い」という本書の調査結果には衝撃を受けた。しかもこれは2018年の話。じゃあ、2024年の今、読解力はどうなっているのか?

生成AIの登場で読解力はどう変わった?

この本が出た頃(2018年)、AIは特定のタスクには強いものの、本当の意味で文章を「理解」することはできなかった。たとえば、単語の関連性を分析して入試問題の選択肢を選ぶことはできても、文脈の深い意味を捉えたり、暗示された情報を推測したりするのは苦手だった。

でも、2022年以降、GPT-3やGPT-4などの生成AIが登場し、状況は一変した。AIが高度な文章を生成し、人間と自然な会話ができるようになっただけでなく、読解力テストにも高い精度で対応できるようになった。

一見、AIは読解力が向上したように見えるけれど、実際には「意味を理解する」というよりも、「データからパターンを学習して、それらしい回答を出している」だけ。だから、AIの読解力はあくまで「模倣」にすぎない

じゃあ、私たち人間の読解力は向上しているのか?
…むしろ逆かもしれない。

生成AIが普及したことで、多くの人が「AIに文章を要約してもらう」「難しい文章をAIに解釈してもらう」という使い方をしている。その便利さの裏で、「自分で文章を読んで、考えて理解する力」が低下してしまうリスクもある。最近、「AIに頼りすぎると、自分で考えなくなるのでは?」という指摘が増えているのも納得だ。

AI時代に求められる読解力とは?

AIが進化すればするほど、人間の読解力の重要性はむしろ高まっていると感じる。なぜなら、AIが生成する情報を鵜呑みにせず、「本当に正しい情報なのか?」「これは信頼できるのか?」**と判断できる能力が求められるから。

特にこれからの時代に必要なのは:

  • AIの出力を批判的に検討する力
  • 文脈や意図を深く理解し、適切に情報を取捨選択する力
  • AIを活用しながらも、自分自身で考え抜く力

結局、AIがどれだけ進化しても、それを使いこなすのは人間次第。だからこそ、「読解力+批判的思考」がこれまで以上に重要になってくるのではないかと思う。

著:新井 紀子
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『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
新井 紀子 (著)  東洋経済新報社

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