読書メモ:東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!

オーディオブック読書メモ

先日『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』を読んで大いに納得はしつつも、入り口については少し見る前提の知識がないと多分「同じ絵をじっと見続けること」もできない気がしたのでした。

なのでもう少し見る前の心構えを準備しないとな、ということで超入門書でありながら現代アートについても触れている本書を読んでみた次第です。学術的に体系的に、つまり教科書的に書かれている本は、特にオーディオブックですとスルーっと言葉が抜けていってしまうことも多いので、先生の講義をライターさんがゼミみたいな形で受講するこの形式は私の目的に向いていると感じました。話し言葉で書かれているのでそこも相性がよかったです。

また、ありがたかったのがあるなしクイズじゃないですけど、アートとは何かについてかなりのボリュームで、といいますかほぼアートの定義に終始ぐらいの勢いで語られていることです。何気にこれは重要だと思っていて、だって美術の授業の図録に載っている有名な名画はそりゃもうアートでしょうが、その画家の子供時代の落書きも高く売れればアートなのか?鉄拳を生み出した昔のテレビ番組「誰でもピカソ」的なエンタメはアートなのか。パフォーマンスはアートなのか。現代音楽はアートっぽく感じる作品も多いがじゃあ民謡はアートではないのか。バンクシーはどうなんだ、AIが書いた作品はどうなんだ、と。この辺でもやもやが始まってしまうとそもそも作品に対峙するにあたって居心地が悪いのです。アートを鑑賞しています、というマインドで観たいのです。

そして現代アートに関しても物議を読んだ問題作や、その界隈でも「これはアートか?」とざわつかせた作品、人物についても面白く、そして先生の主観の入った言葉で語られるので安心できます。

逆にアートそのものをどう観て、感じて、分析していくかというところまでは踏み込んでいません。課外授業の鑑賞会的な展開が今後あると面白そうだなあ、と思いました。

『東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!』
三浦 俊彦 (著) かんき出版

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