電子書籍と電子書籍端末はセットだった
電子書籍がいつから始まったかは諸説ある・・というかどこをもってスタートとするかは見解が別れるところもあるかもしれないですけど、2004年ごろにシグマブックスとかライブラリエが未来的な感じであらわれました。宣伝もかなり派手にやっていた記憶があります。続いてソニーリーダーが発売されてやはり時代は電子書籍方向に進んでいくのかなどと思いつつ端末の現物を見たことがない、という状態でした。ちなみに日本ではじめてiPhoneが発売される4〜5年前のことです。ということはガラケーという言葉もなかった、ということか。。そのままぼーっとしていたらKindleと楽天koboが始まって、一気にアイテム数も増えていきフォーマットも統一されていくわけです。今あげたサービスは販売プラットフォームと、専用の読書端末と両方セットで展開したのですね。紀伊國屋書店のkinoppyは端末がなく、最初はPC専用だったと記憶しています。おじさんなつかしくて止まらなくなってきそうです。やめます。
iPadの登場で電子書籍端末の影が薄くなった?
その後iPadが発売されて、Androidのタブレットも各種発売されました。PCのように端末に数々のアプリをインストールしてブラウズもゲームもyoutubeも色々楽しめるようになりました。販売プラットフォーム専用の端末を使う人は減ったと思います。タブレットは大きいし重いけどPCよりは軽くそしてPCのように色々なことができる。専用端末はタブレットに比べて安いし軽いけどほぼ読書にしか使えない。タブレットと2台持ちすると余計重くなるし、どちらか一台を選ぶとしたらタブレットを選択する人が多かったはずです。私もiPad miniの初代機を買った記憶があります。そして読書専用端末を電車等で見かけることは減りました(まあ、iPadもそんなにいませんけどね)。さらに、スマホの端末も大型なものが出てきて、漫画などもそんなにストレスなく読めるぐらいになってきました。
E-Inkのカラー端末ついに登場
というわけで少なくとも日本では影が薄くなっていた読書専用端末ですが、昨年新しい仕様のニュースがありました。E-inkのカラー端末が発売されたのです。ご存知でしたか?あまり大きな話題にはならなかったかもしれませんね。。
電子書籍界隈の仕事についていながら、私もこのカラー端末はまだ見ていないんですよね。家電量販店に(多分)置いていないからだと思うんですが、あれば見るんですけどねえ、言い訳がましいですね。見てはいないんですが、カラー端末が出たということでそういえばE-Ink端末のことすっかり気にしなくなっているなということに気づいたきっかけにはなったのです。スタイラスペンがついてメモがとれる、本に書き込みもできるというのが高級機種でありました。koboはそれにプラスしてカラー版も出た、と。kindleも欧米ではカラー版が出ていますが日本ではまだなんですね。
で、私には電子書籍端末は必要なのか
さて、私なんですがこのブログがオーディオブックファンクラブということからも、読書はもっぱらオーディオブックです。老眼のせいか紙の本は集中力が続かなくなってきたということもあるんですが、E-Inkはどうなんだろう。おそらくページめくりや検索などのハード・ソフト機能は向上しているでしょう。リフロー型なら老眼でもちょうどいい距離とフォントの大きさを探れるかもしれません。試してみようかなと思いつつ使わなかったらもったいないなあとも思います。紙の本をほぼ読まなくなった私ですが、購入はしているのですよね。魔法の呪文「いつか読むかもしれない」「絶版になって後悔するかもしれない」というやつです。使わない端末を買ってしまったらダブルでもったいない。
今不便に感じているところはどこか
紙でも電子でも目でじっくり長時間読める感じではないので、耳でオーディオブックが基本、ということは変わらないのかなと思います。じゃあいいじゃないか。そうなんですけどオーディオブックも弱点があります。難しい本に弱いんです。本当はオーディオブックではなくて私が弱いんですけど。どういうことかというと。
・自分の知らない単語が多い本は理解しにくい。例えば法律用語や医学用語、プログラミングの言葉など普段使わない言葉や、知らない言葉が多い本は、「これなんだ漢字でどう書くのだろう?」なんてつまずくとそのまま遠くへ流れていってしまう。
・図版が多い書籍は理解しにくい。図版をいちいち見ればいいんですけど基本歩きながら聴いているのであまりごちゃごちゃいじりながらはできないし、そもそも面倒なので基本スルーしています。しているのですがやっぱり肝心なことを見ていないのは気になるのです。
・そもそも難解な内容の書籍は理解しにくい。活字であれば3歩進んで2歩下がることができるがオーディオブックはズンズン進む。これは哲学書など難解な本は厳しい。入門書で知識を入れる系はいいが、本ちゃんのやつは無理。
このような本はオーディオでグイグイ読むには適していないかなあ、と思います。オーディオはやはり未知の領域や知らないテーマの入門書をザッピングというか、興味領域を広げるのにガシガシいくのは適していますが、深掘りしたり専門領域に進むのにはハードルが高いです。これはオーディオブックの弱点です。漢字の記述も少し不利なのかなあ。
ではこのようなものを作ってはくれないか
そもそも難しい本はともかくとして、それ以外は目次をじっくり目視しておくことで重要単語やその漢字表記に目を通しておくと理解度が上がると思うのです。そのあたりは活字と音声で補完できるようになるのがいいのかな。なので端末がそれを補完してくれたらいいなと思ってます。たとえばですけど、Kindleとaudibleの読書進捗を同期するWhispersyncという機能などは、すでに米国アマゾンでは実装されています。これが実装されたらいいですけど、電子書籍と音声と両方購入するメニューみたいなものがあるのでしょうか。
私としてはもうKindleとaudibleを端末でマージしてもらいたい。アラカルトで買ったら両方いけるようにしてもらうとか。Whispersyncもできたらいいんですけど、それよりは目次や前書きをしっかりKindleで読んでから倍速でaudibleで聴く、とか、口絵や図版をざざーっと見てから音声に入る、とか。逆に音声で予習にバーっと聞いてざっくり理解したところでテキストを精読するとか。音声で把握してあとからテキストでマーカーしたり保存したり、とか。これができたらインプットもアウトプットにもいいんじゃないかなあと思います。
もうひとつは、やはり自分の弱さ対策でもあるんですけど、スマホは誘惑多い。プッシュ通知が多い。仕事のアラートとか、チャットとかくるし、来なくてもゲームもSNSもいっぱい楽しくて急がない色々が裏で更新されています。これはやばい。色々できるタブレットを選んでしまった選択が裏目に出ているわけです。専用端末のいいところは「それしか入っていない」ところなんです。これはかなり重要です。だって会社PCですら娯楽BOXになってしまうですよ。読書みたいな没入すべき行為を、玉手箱のようなデバイスでやるのはそもそも無理筋。そんな胆力を鍛えるような無理ゲーはしないで、遊びのない専用端末で、スマホをカバンに入れてやった方が全然効率いいと思います。
結論
私の心の弱さをデバイスに解決してくれって、お前のび太か?と思いつつ開き直ります。Kindleのアラカルトを買ったら専用端末においてはオーディブルも聴けるようになるというのはどうでしょう。予習復習できるとありがたい。図版も予習か復習できるといい。そして専門端末のいいところ、気を散らせないために他のアプリは一切入らない仕様。これ最高じゃないですか。よろしくお願いいたします。僕にとってはカラーよりこちらの方が切望です。
こう書いてきて、実現できるのやっぱりハイブリッド書店に限られるので。競争、危機感、現状あんまないですよね。まずはアンリミの競合出現してくれないかなあ。
前回のニュースまとめで「Amazonは2月26日にハードウェアイベントを開催する」という記事を紹介しましたけど、はてさて何が出てきますか~。
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