デジタルブックニュースまとめ:2025/1/26

デジタル書籍・AI・海外版権

デジタルブックトピックス:

オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係

米国の公共図書館におけるオーディオブックに関する調査報告書(2024年版)が公開(Current awareness Portal)

図書館で貸し出されるオーディオブックの形式としては、オンライン形式が成人による貸出しの70%、子ども・ヤングアダルトによる貸出しの56%を占めていること、CD等の物理的な形式とオンライン形式の貸出比率はコミュニティの規模によって異なることなどが紹介されています。


デジタルオーディオブックが2年連続で図書館貸出冊数の成長を牽引/DIGITAL AUDIOBOOKS LEAD GROWTH IN LIBRARY CIRCULATIONfor the second year(audio publishers assosiation)

デジタルコンテンツが過半数だけどまだCDなどのメディアも存在感が残っている。
仕入れの一番の決め手はユーザーからのリクエスト
とのことです。audio publishers associationは知りませんでした。ストアも協賛しています。


音声市場ニュースまとめ2025年01月4週~Appleの方が儲かる?!還元料金の比較が話題、雪花ラミィ他(クリエイターエコノミーニュース)

本記事は読めていないのですがクリエイターにとっては重要なことですよね。オーディオブックは電子書籍と同様であるとなんとなくわかるんですが、ポッドキャストの収益構造ってどうなっているのかなど私も知りたいことが多い領域です。audibleについてはACXの日本でのサービス開始も気になります。


電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ

複数の出版社によるサブスクリプションバンドルは良いアイデアでしょうか?/Are Multi-Publisher Subscription Bundles a Good Idea?(A Media Operator)

日本でも大手出版社はオンラインの自社コミックストア(アプリ)を提供しています。これはユーザーにとってはマンガ雑誌の定期購読に近い感覚がありますよね。コミックだけでも競合は過熱していますが、新聞に、雑誌に、動画に、ゲームに、その他サービスにと私たちはサブスクにまみれているわけです。中小の出版社でいうと専門的なジャンルがあるところ、雑誌のレーベルがあるところ以外で自社サブスクはハードルが高いと思います。ではどうなるのがいいのか?たとえばですがアマゾンプライムビデオに、有料の追加チャンネルがあるじゃないですか。NHKオンデマンドとかスポーツとか。ストア頼みではありますが、アンリミテッド専門チャネルみたいなものが実装されるのが理想的かな、なんて思っています。例えば経営とか、アートとか。


サウジアラビアのマンガアラビア、日本の漫画を中東圏のフードデリバリーアプリで販売開始

Uberのアプリにピッコマがくっついた、みたいな理解でいいのでしょうか。頼む必要がないときには開かないフードデリバリーアプリですが、接触回数の多いであろうマンガアプリをバンドルすることで「Ubereatsで、いーんじゃない?」の機会も増える。届くまでマンガ読む。食べながらマンが読む。いいんじゃない?


電子書籍の表現規制が厳しくなり、「カロリー」が引っかかって配信停止に→特定ワードが機械的に弾かれるから間違い探しみたいになってるらしい(togetter)

これはどちら界隈のお話なんでしょうか。ひょっとして例のカード決済がらみの話なんでしょうか?

出版とAI

Storytel がストーリー作成における AI を探求 – 初の AI 著作オーディオブックをリリース/Storytel explores AI in story creation – releases its first AI authored audiobook(Storytel)

スウェーデン発の有力オーディオブックプラットフォームStorytelがAI作家を仕立てて短編小説を書いてもらい、オーディオブックとして出版したというお話。面白いのはビジュアルも含め作家の名前を立てているという事。書誌情報的には紛らわしいと思いますがAI将棋のプラグラムを棋士に見立てるような話なら分からなくもないか。。


科学誌編集者ら、AI編集とコスト問題に異を唱えて集団退職(WIRED)

編集をAIにやらせるというコストカット、そのAI編集に問題ありでかえって人手がかかることに、という笑えない話もありますが、商業誌というより論文掲載で発表者から掲載料を取るモデルなので一般の商業誌とは少し話が違いますね。AIの質が高くなれば解決、という問題ではないように思います。このようなケースが増えるのは間違いなさそうです。


「生成AI」で出版業界はこう変わる(株式会社AI walker)

生成AIの文章に熱量のようなものはデフォルトではついていないと思います。一方で構造的にまとめるのは得意だと思います。リスキリングでAIをうまく使って出版に役立てるのなら、やはり人を動かす熱量を注入する部分なのではないかなあ、と思います。セールスレターだからなあ〜。

グローバル・各国事情

コンテンツ配信ネットワークNewslinkが閉鎖を発表/Content distribution network Newslink announces closure(press gazette)

共同通信的なところなのかな、それともJBpressに近いのかな。


有力書店が相次ぎ閉店、「中国映え書店」の夕暮れ(WWD)

うーん、「映え書店」が閉店しているんではなくて「映え書店」でさえも閉店している、って感じじゃないかなあ、と思います。記事にあるように、来店目的は記念写真だったりするわけですが、グッズやカフェなどにお金を落とすような導線にしていましたが。出版社としては微妙ではありますが。

2018年に私も、当時「世界で一番美しい」といわれた鐘書閣の北京店を訪問しました。映えてましたね。私などは字も読めないのでミュージアム気分でしたが現地の人もそんな感じでみんな写真撮っていました。

グッズもカフェも賑わっていましたよ。今は昔。

その他のトピックス:

「業績悪化」企業の割合は過去最大の66.1% 物流費の高騰が響く(帝国データバンク)

物流の効率化はメーカー1社でできることはかなり限定的ですし、デジタルシフトも既にやっているところはやることがない。でもできることはたくさんあると思います。カテゴリでいいますと面倒くさい系のお仕事になります。ははは。。


「必要な本を、必要な人に、必要な時に」持続可能な出版業界を目指す「出版製造流通DXプロジェクト」が本格化 -デジタル製造書籍部数が累計3,000万部を突破-(KADOKAWA)

大きなロットで勝負して利益をあげてきた出版社がこれだけ大きな投資をして方向転換をしているんだ、という情報だけでも価値あります。


日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援(DP TREND)

返本率は業界平均に対して10ポイント近く低い26・8%に下がっている。また、書店の注文から店舗に届くまで、業界平均で10日程度かかるところ、24から72時間以内に届けられる

もう一回ゆっくり読みたいと思います。


ニューズウィークは忠実な読者層を築くためにニッチな分野に特化しようとしている/Newsweek Tries to Niche Down to Build Loyal Audience

誰に何を届けるか、というのは単純に部数の話ではないのはわかりますが、そうかBtoBだとビジネスそのものも変わってくるんですね。この考え方は勉強になりました。


【最新号案内:2025年1月23日号】Gakken、既刊1000点規模で値上げ/10~20%アップ目指す(新文化オンライン)

どれぐらいの期間でやるのか、ジャンルはどうなのかなど、内容チェックしないと。

読書メモ:

今週はサボります。

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