読書メモ:温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来

オーディオブック読書メモ



このブログの読書感想文で何回か書いていると思いますが、私はベンチャー企業のスタートアップストーリーを読むのが大好きです。

単純に成長ストーリーが、子供の頃から読んでいた週刊少年ジャンプの主人公のキャラクターのようにファンになってハラハラして、成長を一緒に喜ぶような楽しさがあります。

これはビジネス書で多い「問題解決のために読書する」というものとはちょっと違います。

「問題を解決したい。この領域の知識が知りたい」というふうに、ある目的を解決したいということで役に立つ本はたくさんあります。それはそのような目的なので書かれていて読まれているので需要と供給が合致しているわけなんですけれども。

ベンチャーには、起業までのストーリーや背景というのがあって、それを成し得るためにどうするかを考え、そして行動を起こし、仲間を募り、大抵一度は苦境に立たされます。それを何とか解決し、良い出会いや辛い別れがあり、それでもそれらを乗り越え、今に至る。勝手にまとめるなよ、といわれるかもしれませんがステレオタイプだといいたいわけではなくって、エピソードが膨大にあるということなのです。

それはビジョンの話でもあり、実務の話でもあり、マネジメントの話でもあり、ファイナンスの話でありコミュニケーションの話でもあります。つまり、ビジネスのすべての要素が詰まっているのです。

そして、そのストーリーがまさにゼロから始めた記録として本人の口から語られるという、贅沢なものなのです。

ビジネスを始めて成長させ維持するのに必要な栄養素は同じだと思うのですが、会社の数だけ違うストーリーがある。フィクションとしてとても面白い。もちろん語り手の思いや表現力、編集のポリシーなどによる違いはあるでしょうが、大概面白いのです。

誰でも一つは本を書くネタがあると言いますけれども、企業ストーリーは、それがたとえ失敗したとしても、一世一代の大ストーリーになるわけです。

本書も最初はどうなることやら、一緒にハラハラするところからのスタートでしたが、「福祉とはこういうもんだから」という既存の価値観にどうしても納得できないという信念が語られるあたりからのブレなさは、快感すら感じました。

あとは品切れの恐怖に一緒にヒヤヒヤして、大きなコラボにワクワクして、と完全に引き込まれました。久遠チョコレート、アンテナ立てておこうっと。

温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来 単行本 – 2024/2/9

夏目 浩次 (著) 講談社

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