デジタルブックニュースまとめ 2024/12/29

デジタル書籍・AI・海外版権

デジタルブックトピックス:

オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係

AIで積読解消!オーディオブックの新サービスSmartbooks(スマートブックス) iOS(β版)をAppStoreで12月23日にリリース(スマートブックス株式会社)

ビジネス書に特化したAI朗読音声オーディオブックサービスSmartbooksがβ版をリリース。ディスカヴァー・トゥエンティワンの2冊は紙書籍が12/20発売とのことで本当にほぼサイマルですね。テキストでも読めるとのことで電子書籍のTTSサービスという捉え方もできるかもしれませんね。


スマートブックス オーディオブックサービスβ版を公開 3日で制作した2点含むビジネス書4点発売(文化通信オンライン)

同社は現在、ビジネス書を中心に出版社15社と契約し、94タイトルの発売を予定。

AI朗読コンテンツ制作はAIなのであっという間に完成するように思えるのですが、kindleのTTSを試すとわかるのですけど結構間違えるんですね。人名地名などの固有名詞や漢字の読み違いとか。アクセントもあります。なので結構調整が必要で半自動で楽ちんにできるってわけじゃないと聞いたことがあります。もちろん技術は日々進化していると思いますが、3営業日でバンバンできるようなスピード感でしたら、ストアの充実は早いかもしれませんね。


運動しながらオーディオブックで読書しよう! 24時間ジム「ECOFIT24(エコフィット24)」とコラボ 30日無料体験キャンペーンを開始(オトバンク)

ジムとオーディオブックも相性いいですよね。昔々ジムに通っていた頃は、音楽を聴いていて、いつも聴いているアルバムの長さが時間の目安になったりしていましたが。なつかしいですね。ジムのwifiでオーディオブック聴き放題、とかもあったらいいですね。


この冬は「耳でも読書」! 集英社オーディオブック『地面師たち』(新庄耕・著)、『岸辺露伴は倒れない 短編小説集』(荒木飛呂彦・original concept/北國ばらっど・著)など、話題作配信中!(集英社)

出版社の新刊作品リリースはきりがないので基本採り上げないのですが、ブランドとしての取り組みのリリースは珍しいですね。オーディオブック専門のTikTokアカウントも開始。書影+朗読サンプルでした。


『30代』オンラインコンテンツ利用実態調査~テキスト・動画・音声・画像はいつ、どう使われている?~(2024年末実施)(株式会社eclore)

30代は目的や状況に応じて動画、テキスト、画像、音声などのコンテンツ形式をどう使い分けているのか、の調査です。「商品・サービスを購入する前に最も参考にするコンテンツ形式はどれですか?」と聞かれたら、私はなんと答えるかなあ。あんまり調べて買わないんだよねえ。


AI音声オーディオブック: 消費者向けラベルに関する新しいガイドライン/AI-Voiced Audiobooks: New Guidance for Consumer Labeling(publishing Perspective)

私の知り合いには書誌周りに詳しい方が多いのですが、新たな難問ですよ、よろしくね。書誌といってもデータ形式とか集計の話ではないのです。AI音声オーディオブックのナレーター表記の話です。例えば『人と社会の本質をつかむ 心理学』という本ですが、ナレーターが「VOICEPEAK男性2」という方なんですね。おそらく複数の男性の声をブレンドしたものかと思うのですが、特定のナレーターの声を学ばせた場合のナレーターの名前にその人の名前を入れたほうがいいか、どのようにルール作りするか、という問題が出てきている、とのことなんですね。声はそっくりだけど間が違うので別人に聞こえる、みたいな場合ややこしくなりそうですね。


AIコピーライター「AICO2」が音声広告にも対応 音声広告市場の拡大を目指す「AICO AUDIO AD PROJECT」発足

音声コンテンツの利用が増えて広告枠も増加できるがクリエイティブのリソースがない、ということなのかな。単価はどうなんでしょう、やはり動画のほうが高いのかしら。というかそもそもを知らなすぎるので有名どころのポッドキャスト聴いてみよう。


AIオーディオ企業のSupertoneがAPI公開、AI音声技術の活用広げる(株式会社HYBE JAPAN)

多彩な表現ができるTTSのAPIを公開とのことで世の中にじわじわと広がっていくのでしょうか。アプリなどにも使われていくのかな。


メディアプランにオーディオとポッドキャスティングを取り入れる(Audiostart News)

ちょっと、この見出しではわかりにくいのですが、オーディオ分野の広告がまだまだ薄いぞー、ということのようです。人々がメディアに接する時間の内訳で、オーディオ関連が伸びているんだけど提供されている広告は伴ってきていないようですね。広告打つならオーディオ関連が狙い目だよ、というニュアンスでいいのかな。


書籍に載っているNetflixのロゴに読者が激怒/Readers up in arms about the Netflix logo on books(Good E Reader)

Netflixで映像化された原作の書籍カバーにNetflix化したよというロゴが入ることに読者が怒っているという話です。日本では帯で処理される部分ですが、デジタル版のカバー画像差し替えはあまりないかもしれませんね。でも、気持ちはわかります。

電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ

第18回 電子出版アワード2024、ジャンル賞は「書店在庫情報プロジェクト」「子供の科学100周年」「コミックシーモア」「Mantra」「Thorium Reader 3.0」「ChatGPT」

「書店在庫情報プロジェクト」の進捗というか流れを知らなかったのですけど、言葉尻だけで想像するに壮大でクラクラします。ウーバーさんがAPI引っ張って、昼ご飯と夜ご飯のアイドルタイムに本を運べるといいんじゃないですか、だめですか?


生成AIの進化によって、電子出版の未来はどうなるのか?【HON-CF2024レポート】(hon.jp)

AIを直接的なビジネスの飛び道具としてはなく、インフラとしてどう活用していくのかという視点がとてもしっくり納得でした。言語の壁も、です。


単行本、雑誌、電子コミック、電子サービス横断で調査、2024年に最も読まれたマンガ&サービス【GEM Partners】

いわゆる「文字もの」を出している出版社からみるとキンドルよりピッコマやLINEマンガが倍売れてるといわれると物差しがくるって判断停止におちいります。さらに「雑誌・メディア/サービス」となると規模感そのものの目測が立ちません。このブログでもシーモアの快進撃のニュースをずいぶんとご紹介しましたが、この記事では相対化されていますね、わかんないっすね。


企業向け電子書籍読み放題サービス「Sharelot」が〈スタートアップ支援キャンペーン〉開始【先着20社限定】(mochi)

スタートアップ支援キャンペーンにお申し込みいただいた、先着20社の企業様に対し、Sharelot上で以下の5冊の電子書籍をプレゼントします。これらは、スタートアップが抱える4つの課題をカバーする、実践的かつ示唆に富んだ選書です。

蔵書の購入だけではなく、読まれたボリュームに対してもインセンティブが発生する同サービスならではの施策ですね、面白い。このようなキャンペーンは結構柔軟にできるんじゃないかなあ。


なぜ2756億円も払って「めちゃコミック」を買収したのか…日本人は知らない「マンガ産業」の海外での価値

安い買い物だった、といわれる日が、いつか来るのでしょうか。海外向けの市場のポテンシャル、ネック、爆発の妨げになっているのは翻訳コストが一番大きいのか。。翻訳コストを考えると文字もののほうが参入コストははるかに低いわけで。。プラットフォーム側、たとえばYouTubeの翻訳字幕機能みたいな形で走ったらどうなるんだろう、とも思ったり妄想をくすぐられる話です。


「週刊ダイヤモンド」が書店販売をやめる…創刊111年「老舗経済誌」のデジタルシフトを、担当局長&編集長が語った

このニュースをどこにおいたらいいのかな、とちょっと迷いましたがデジタル化ということでこちらに置きました。相当の調査と議論を重ねての決断だったかと思いますが、日本を代表する経済誌の大きな判断がこれからの雑誌の流れを変えていくのかは大注目です。


読書バリアフリーの現在 第12回(最終回) これからのアクセシビリティ(新文化オンライン)

連載最終回とのことで、お疲れ様でした。電子コンテンツの作成と販売がアクセシビリティの選択肢を増やすことになることはわかっても、本当に役に立っているのかな?という実感は日々の仕事で感じにくいのは事実です。知らなくては、ですね。

出版とAI

従来の50倍のAIエージェントを駆使し、大幅な機能向上を実現 2024年12月、「四季報AI」Version2リリース

従来の50倍のAIエージェント」パワーを感じる言葉ですね。美容液か何かの成分みたいです。膨大な生データの蓄積、そしてIR情報の集約はAI時代が来るのを待っていたのかもしれません。そしてどうなるか。お任せ投資AIとの一騎打ちとかもあるのでしょうか。みんなこれを使ったら株価はどうなるのか(茶化してすいません)。一応いっておきますけど私最初にCD-ROM版出たとき未来を感じて買ったですよ。取っておけばよかったなあ。


文学と芸術において、共有は思いやりではない:DRMと著作権の問題文学と芸術において、共有は思いやりではない:DRMと著作権の問題/In Literature and Arts, Sharing is not Caring: DRM and Copyright Matters(Good E Reader)

共有というか、ただ読み、配布ですよね。コミックも、ストアを見ても無料の文字が多数飛び込んできますが、まず興味を持ってもらうために相当読ませてるなあ、これは一回リセットしたほうがいいのではないかなあ、などと思います。


ユニバーサルミュージックとアマゾンが提携強化:「違法なAI生成コンテンツへの対処」(The Hokllywood Reporter)

両社は「特に、違法なAI生成コンテンツに対処し、不正行為や誤配信から保護するために協働する」と述べた。

音楽はKDPにあたるようなものもないと思いますし、書籍よりは侵害ケースが少ないようにも思われるのですが違うんですかね。サンプリングや歌声をAIに学習されるとかはあるか。そういっちゃうとメロディーとかもできるのか。的外れかもしれませんが。

グローバル・各国事情

内沼晋太郎 欧州ではオーディオブックが流行中(日経BOOKプラス)

日本ではあまり語られることのない欧州の出版事情のレポートです。たまに版権売買の案件があったりすることはありますが、調べると本当に小さな国が多いんですよね。日本がMEGAに思えてくるぐらい。それぞれのお国の言語があって、出版があって。その中でオーディオブックの浸透というのは意外でしたね。

その他のトピックス:

老舗科学新書「ブルーバックス」がなぜか<マンガコンテスト>を開催中?企画した元テレビマンの講談社社員に話を聞いてみた(婦人公論.jp)

本題とはズレますけどひとりごと。長らく変化のなかったところで新しいことをやるためには結構な馬力が要るものですが、全然経歴の違う人材を入れていくことで「前職での当たり前」で動いてもらう方がはやかったりして、などと。やるべきこととやりたいことが一致していれば、が前提になりますけど。

ワン・パブリッシング 松井謙介氏「顧客価値最大化にはデジタル・出版・物販の連動を」(DIGIDAY)

大きく、そして切実に必要な構想なのを自覚して発言されているのがわかるだけに、自分がいったわけでもないのに読んでいて緊張してしまいました。ビビりです。

読書メモ:

「ボッコちゃん」

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