今週のデジタルブックニュースまとめ(2024/10/20)

デジタル書籍・AI・海外版権

デジタルブックトピックス:

オーディオブック・ポッドキャスト・音声関係

松下幸之助・生誕130年を記念、オーディオブックフェア開催 大塚明夫朗読の『道をひらく』など10作品を聴き放題プランで配信(オトバンク)

遅ればせながらこのリリースを知りカートにポンポン入れました。名著はオーディオブックで読むのに適している場合が多いです。文章が分かりやすいから読み継がれロングセラーになり、ということはつまり耳にも入ってくるのです。


CoeFont、リアルタイム音声翻訳サービス「Cross-Language Meeting」のベータ版を提供開始(AUDIO MARKETING INSIGHT)

事前に自分の声をAIに学習させておき、話したことをリアルタイムに各国語で翻訳し音声化するというサービス。それぞれのサービスはニュースでありましたので、組み合わせですよね。国際会議やグローバル企業の社長スピーチなどで活躍するのでしょうか、まずはもっとカジュアルな配信からかな。詳しいことはわかりませんが日本の技術も頑張っていただきたいなと思います。


音声広告は105秒が最も効果的?Podscribeがポッドキャスト広告に関するレポートを公開(AUDIO MARKETING INSIGHT)

ベイクドイン広告がDAIより21%効果的

いきなり聞いたことのない言葉二つを比べられて怯みましたが、この記事は広告に関わる方は見ておいた方がいいと思います。貴重な数字、エビデンスです。


電子書籍・コミック・リーダー端末・アプリ

【CLLENN】ドラマとマンガが同時に進む『デスゲームで待ってる』10月18日よりLINEマンガ他で先行配信スタート!ドラマ追加キャストに豪華メンバー集結(CLLENN)

DMMグループのデジタルコミック出版社の株式会社CLLENN(本社:東京都港区、代表取締役:布川敦司、以下「CLLENN」、読み「シレン」)は、総合動画配信サービス「DMM TV」と関西テレビ放送株式会社(以下カンテレ)との“リベンジ(復讐)”をテーマとしたドラマ共同企画『デスゲームで待ってる』にて、ドラマとマンガの2つの媒体で同時に展開されることが決定し、マンガ制作をCLLENNが手掛けます。

前段の情報を知らなかったので引用します。今回のリリースは追加キャストの発表でした。豪華なキャストです。インタビュー項目が一律。


読書の秋到来、タブレット等で本を読む子どもが約4割増(Novakid Ink.)

4歳〜12歳の子どもを持つ親へのアンケートです。どちらかというと環境がそうなっているといるということになりますかね。小学生のタブレットは当たり前ですもんね。


WEBTOON 10代~40代の4割以上が閲覧経験あり
読んだことがあるアプリ・サービスは10代~30代「LINEマンガ」、30代~60代「ピッコマ」
国産WEBTOON(日本人作家)の作品数、56.6%が「増えた」と感じる

急下降しているなんていう記事もありましたが、私の個人的な感覚でもwebtoonの存在感は増しているように思います。書きながら気づいたのですが、私の個人的な感覚とかいいながら、個人的にwebtoon読んだことなかったのでした。このような記事や、SNSに流れてくる広告に触れているからそのように思っているだけで、専用プラットフォーム、アプリなどを定点観測しているわけではないのでコンテンツの増え方とか人気作の熱量とか全然わかっていないはずでした。知ったかぶり怖い怖い。


ドコモ、MUGENUPの完全子会社化を発表 IPビジネスの強化を目指す(MarketZine)

前の記事から続いてのコメントになりますが、MUGENUPの存在はある電子コミック編集者から名前を聴いていて、結構面白い会社なんですよねー、漫画専門ってわけじゃなくてむしろゲームとかメイン、デジタルを広くやっている会社ですけど。などと。そんな存在感ある元気な会社をドコモ様お買い上げとな、こういうのが勢いなんですよねえ。もう、業界外だわー。


【決算】メディアドゥ 第2四半期は増収増益(文化通信オンライン)

本業も戦略投資部門も利益率上がっているとのこと。


Kindle初のカラー画面「Kindle Colorsoft」登場(Impress Watch)

カラーディスプレイの搭載は、17年にわたって展開してきた「Kindle」シリーズの端末で初めてとなる。

Kindle Fireがあるじゃないか、と思ってしまいますがEインク(?)でのカラーディスプレイは初めて、ということですね。Eインクでよかったんでしたっけ、そういってましたよね。発色とかページめくる感じとか見てみたいですが、Kindleの端末ってリアルの小売店に売っていないですよね。どっかあるのかな。


TikTok の運営会社はすでにデジタル書籍を出版している。今度は印刷版に移行している。TikTok’s Owner Already Publishes Digital Books. Now It Is Moving Into Print.(AllSize)

TikTokを運営するByteDanceはすでに電子書籍の出版社になっており、さらに紙の本にも進出するという話です。有料記事でさわりしか読んでおりませんが、そういうことのようです。BookTokは欧米でも存在感が強くなっていると聞きますが、プラットフォーム運営での広告収入+ライブコマースでの手数料+メーカーということですね。アマゾンが自社商品をガンガン売るようにプラットフォームを使っていくのか、グローバル展開は?どうなるでしょう。


「リブレ」「大洋図書」が牽引する「商業BL」事情、次なる覇者は? 識者が解説する人気出版社の業界地図(Real sound)

商業BLとは聞き慣れない言葉ですが、なんでしょう?同人誌ではなく普通の書店やネットで買える商品、という意味なんでしょうか。同人誌も売り物だとは思いますが、そもそも今同人誌なんている言葉を使っているかもわかりません。この記事は商業BLの特性をレーベルごとにマトリックス化して分析。2軸はこうなるんかー。そして海外マーケットにも重ねています。このアプローチは面白い。


マンガ・電子書籍アプリの1日における利用時間は9.7分(フラーのデジタルノート)

マンガ・電子書籍アプリのアプリ数、起動回数、利用時間などの基本データをまとめた記事です。こういうふうに調べられるモノなんですね、というかここのところソルマーレの流れからなのか知りませんが電子書籍の統計データがどんどん出ているのなんでしょう?

ダウンロードできる本編の資料では以下の詳細データが見られるとのことです。

・1章 マンガ・電子書籍アプリ市場の概況
・2章 マンガ・電子書籍アプリ年代別分析
・3章 マンガ・電子書籍アプリ都道府県別分析
・4章 マンガ・電子書籍アプリカオスマップ


漫画のリーチを紙と電子を横断して計測する(GEM STANDARD)

電子コミック雑誌・マガジンサービス/電子漫画単行本/紙漫画雑誌/紙漫画単行本 それぞれの利用頻度や、雑誌レーベルごと、漫画の作品ごとの順位が並んでいます。どうやって調べたのでしょう。ジャンプのメガヒット作品はどの項目もバランスがいいですね。この数字も貴重です。


電子書籍リーダーは情報過多を減らすために不可欠である/E-readers are essential for reducing information overload(Good E Reader)

SNSやニュースが日々更新され我々の手元に届きます。AIがさらにそれを増殖させ、必要ではないもの、間違っているものも含めて襲ってきます。何を見たらいいかもわからなくなってくる中で、電子書籍専用端末はある意味デジタルデトックスの機能もあるのではないか、という角度の記事です。なるほど、設定にもよるでしょうがSNSのようにプッシュで来ることはありませんね、確かに。

出版とAI:

Industry Dive が生成 AI コンテンツ ライセンスに参入/Industry Dive’s Foray Into Generative AI Content Licensing(A Media Operator)

先日、要約サービスのGetabstructAIの記事をご紹介しましたが、こちらもやはり法人が中心になるでしょうか、AIによって大規模言語処理をされた膨大なビジネス記事にアクセスできるサービスを始めるということで、どうなんでしょう、日本でいったら日経テレコンがAIによってデータ処理されてDBの情報を自然言語で聞くことができる、といった感じなんでしょうかね。確かにありだなあ。


AIの進化で“校閲者”は絶滅するのか 活字文化を支える「校閲」、デジタル化で変わったこと、変えられないこと

神ではなくデバイスを使いデジタルで校閲することのメリットデメリット。そしてAIを使うことは「あり」なのかどうなのか。専門ジャンルのプロンプトエンジニア、では済まないとは思いますけどね。

その他のトピックス:

経団連「コンテンツ省」の設置提言 予算2000億円に(日本経済新聞)

日本由来のコンテンツの海外売上高は鉄鋼や半導体といった産業の輸出額に匹敵する規模で、外貨を稼ぐ産業として期待できる。

今でしょ?なのでしょうかねえ。これはでも注視するしかありません。活きた金になってほしい。


【フランクフルト・ブックフェア 2024 出展】多様な日本マンガを紹介するセミナーや、マンガ作品の展示を実施!ドイツ・フランクフルトにて10月16日(水)~20日(日)開催

お疲れ様でした。


AIに仕事を奪われる中国人作家たち、ネット小説をパクられたあげく犯罪者扱いされる悲惨な事態(ダイヤモンドオンライン)

ChatGPTをはじめ、欧米GAFAM発の生成AIをおそらく使えないであろう中国も、国産のAIがクリエイティブ業界を席巻しているのですね。中国のなろう系小説サイトでAIに学習を認めたら大量に小説をアップしまくるアカウントが出現した、など。SFみたいな事象が現実にスピード感を伴って起きております。このような実験場としての中国の存在は本当にすごいなあ、と思います。いいとか悪いとかじゃなくて、何が起こるか、まずやっちゃうというスタンスが。


ソラジマがインドネシアの漫画制作スタジオへ1億円出資(ソラジマ)

インドネシアを代表する漫画制作スタジオ・Kisai Entertainment社と資本業務提携契約を締結。10月9日(水)にインドネシアにて記者会見を開催。

両社とも創業10年経たない新興の会社。記事を見るとウェブトゥーンの制作でがっつりと提携するようです。文字ものでは市場が見えないインドネシアですが、漫画は人口がモノをいうんだろうなあ。


声優有志が許諾なき“無断生成AI”にNO 山寺宏一、梶裕貴ら声優26人が啓発動画に出演「声が勝手に売られていた」

学習のための素材は少なくてよくなってきているのは間違いないでしょう。音声の高品質の素材は簡単に入手できてしまうので、権利保護のための登録なんかも出てくるのかなあ、管理できるのかなあ。ちょっと加工したら逃れられそうだしなあ。

読書メモ:

『道をひらく』松下幸之助 著 PHP研究所

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