世界で1000万人が読んだベストセラー『ザ・ゴール』の著者エリヤフ・ゴールドラット博士の愛弟子である著者が、自身の最大の学びとなった問題解決の極意「問いの力」の全貌を公開します。
本書の紹介文から引用しましたが、とてもシンプルでかつロジカルでこれだけでぽちっとする方も多いのではないでしょうか。思えば、『ザ・ゴール』でもジョナ博士は大急ぎの無理難題を課せられ焦りまくっているロゴに禅問答のような問い=宿題を課していました。答えを求めるロゴに対して、問いで返す博士。会うたびに、この問いはどういう意味なんだろう?と悩むわけで、読んでいるこちらもハラハラするわけです。そうでした、確かに問いでしたね。
ただ、『ザ・ゴール』はストーリー仕立てのビジネス書なので、読者に重要なポイントを主人公の試行錯誤するところを印象付けてもらうために「問いを立てる」という演出をしたことも考えられます。チームでも話し合い、問題はどこか、どうやって解決するかを議論する。このプロセスそのものが学びになっているからこそ理解も深まるわけで、誰もがまんまと引きずり込まれてしまったことでしょう。
ただ本書を読むと、問いを立てるところから始まることは演出ではなく必要な手順なんだということがわかります。何を目標にするのか、何を目指して、そうするとどうなるのか。実にシンプルながら、著者岸良さんのコンサル事例を読むと、「あ〜」と納得できます。私が印象に残ったのはコンサル上がりでピカピカのキャリアを掲げバリバリと仕事をしているがちっとも成果は上がらず白い目で見られ始めてしまう、の例です。これ、いわゆる「高学歴だけど使えない」と思いたい周りのやっかみマインドについつい乗ってしまいがちですが(おい)、成果が出ない理由がとてもロジカルに説明されていて大納得でした。こういうタイプの部下を持った上司には恐ろしいほど有益な情報でしょう。
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『いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。』 岸良裕司 (著)
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